上写真=後半アディショナルタイムに決勝点を決め、喜ぶ小泉慶(写真◎J.LEAGUE)
■2020年10月10日 J1リーグ第21節(@カシマ:観衆5,671人)
鹿島 3-2 横浜FC
得点:(鹿)エヴェラウド、オウンゴール、小泉慶
(横)瀬沼優司、松尾佑介
劇的勝利にも反省「ダメなところはダメ」
鹿島に劇的な逆転勝利をもたらしたのは、小泉慶の右足だった。2-2で迎えた後半アディショナルタイム。永木亮太のCKをエヴェラウドと上田綺世が競り、ボールを拾った荒木遼太郎がゴール前へパスを送る。次の瞬間、背番号37が右足で合わせ、ゴールネットが揺れた。
「(CKのとき)いつもはこぼれ(球を拾うため)の位置にいるけれど、(今日は)監督から『上がれ』という指示がありました。本当にたまたま僕のところにボールが転がってきてくれたので、(シュートを)ふかさないことを考えつつ、無になって打ちました。みんなが頑張って、頑張って、こぼれたボールに僕が詰めたという、本当に最後においしいところを持って行った感じですけれど、入って良かったです」
カシマスタジアムは歓喜の拍手に包まれ、チームメイトが小泉のもとに集まる。小泉自身にとってもうれしい鹿島での初ゴール。「ホームで点を決めたかったので、こういった形で初ゴールを取れてよかった」と目を細める。
ただ、手放しで喜んでばかりはいられない。右サイドバックを務めるDFの選手として、試合展開には課題が残った。
「連敗していたので、今日はホームだし、絶対に勝ちたかった。勝てたことはもちろん良かったけれど、あの立ち上がりの失点のところだったり、そういうところを反省しなければいけない。それ以外にもピンチはたくさんあったし、やられていなくても僕個人も含めて反省しなければいけないところがたくさんありました。ダメなところはダメ。そこもしっかり頭に入れて、次に生かさなければいけません」
小泉は、勝って兜の緒を締める。自身のゴールによる劇的勝利を挙げても、まだまだ満足はしていない。なぜなら、鹿島は勝ち続けるチームであるという自覚があるからだ。
「(鹿島は)本当に勝ちにこだわって、常に勝つチーム。どの試合でも、どの相手でも、まずは自分たちのサッカーをやれば勝てると思うし、結果にこだわってこれからもやっていきたい。まだまだこの順位にいるチームではないし、もっともっと上を目指して、これからも頑張っていきます」
右サイドを駆け抜ける加入2年目のファイターは、これからも深紅のシャツをまとって勝利に向かっていく。
現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE