今季初の3連敗を喫した浦和レッズ。だが、下を向くばかりでは何も見えてこない。4日の名古屋グランパス戦では、初先発のMFマルティノスが得意のドリブルで存在感をアピールした。

上写真=名古屋戦で81分までプレーしたマルティノス(写真◎Getty Images)

■2020年10月4日 J1リーグ第20節(@埼玉:観衆9,357人)
浦和 0-1 名古屋
得点:(名)金崎夢生

「明らかなPKだった」

 緩急をつけたドリブルで右サイドを一気に突破していく。マルティノスの個人技は、唯一無二である。4日の名古屋戦では随所で持ち味を発揮。開始10分には1対1に強い吉田豊をあっさりかわしてクロスを上げ、決定的な場面をつくり出した。

 41分にはロングパスを受けて、右サイドから一気にゴール前まで持ち込み、ペナルティーエリア内へ。スライディングにきた吉田の体が引っかかり、惜しくもボールはそのまま流れた。相手の体は接触していたため、PKをアピールしたものの、レフェリーの笛が鳴ることはなかった。

「明らかにPKだった。あれは基本的に進路妨害だと思う。飛んだのは、相手がスライディングをしてきたので、彼の上に乗っからないためだ」

 試合後も興奮冷めやらぬ口調で悔しさをにじませていた。

 名古屋戦が今季初先発。限られた出場時間のなかでも、腐らずにトレーニングに取り組んできた。

「ブレずにチームのためにハードワークをする。そこはずっと変わらない。スタートでも途中出場でも、影響されないように準備している」

 ツボにはまったときのドリブルの突破力や左足シュートは他を寄せ付けないものを持っている。ただ、プレーにムラッ気があるのも否めない。簡単にボールを失ったり、コンタクトプレーでピッチに倒れ込み、ファウルをアピールすることもしばしばだ。

 気まぐれなマルティノスの起用は諸刃の剣。それでも、クセのある武器もうまく使いこなせば、大きなメリットをもたらす。4日の名古屋戦では、それを証明できたのではないか。厳しいスケジュールが続く今季は使えるものはすべて使い、勝ちにつなげていくしかない。

取材◎杉園昌之


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