上写真=最高のパフォーマンスを続ける守田。リーダーの風格も(写真◎Getty Images)
ジェジエウよりも先に決めたい(笑)
10月3日はアウェーのセレッソ大阪戦だ。首位の川崎フロンターレが暫定2位の相手を直接叩けば、勝ち点差14がつけられる。
「この一戦を34分の1ととらえてはいません」と力強く語るのが、守田英正だ。リーグ戦7試合、ルヴァンカップ1試合の計8試合で連続フルタイム出場中。進撃を支えるアンカーだ。
「ここで叩くことで優勝に大きく近づきます。何が何でも勝ち点3を取りに行くことが大事です」
強い気持ちが守田をかき立てる。ただ、熱くなればいいというものではない。それがよく分かっているから、アンカーという攻守の要のポジションで確固たる地位を築いているのだ。
「思ったような展開ではなかったり、うまくいかなかったとしても、勝ち点1を手にすることはすごく大事です。とにかく、負けることは許されない」
直近の2試合は横浜FC戦で3-2、湘南ベルマーレで1-0と1点差の勝利で、ゴールラッシュでねじ伏せる川崎Fらしくないといえばらしくない。さらには、次は守田が「勝負強い。セットプレーでも流れからでも取れる。堅守速攻、守りの堅いチーム」と表現するC大阪が相手。もちろん、これまでのように大量得点によって「フロンターレここにあり!」を知らしめる勝利が望ましいが、そうではなくても対応できるという自信があるのだ。若い選手が躍動するチームにあって、これぞまさに大人の落ち着き。
「やられている時間やうまくいっていないときは、精神的にはきついです。守備で走らされればストレスがたまりがちになって、マイナスな言葉が出てくるというのはよくあること。でも、そこで客観視して、ちゃんとバランスよくいい声をかけられるように心がけていますね。うまくいかないことをどうにかするというのも大事だけれど、でもうまくいかなくてもいい声をかけて、相手に対してはブラフでもそういう姿を見せ続ければ、つけ入るスキがないなと思ってくれますから」
ところで、今季はリーグ戦19試合に出場しているが、ノーゴール。以前のオンライン会見でも得点への意欲を示していたから、そろそろ、のはず。
「いろんな選手が決めることが自分たちの強みです。ただ、まだ決めていないのは僕とジェジエウぐらいかな。なんとかジェジエウより先に決めたいです」
そう言って笑わせるのだった。
記念になる今季初ゴールが、故郷のヤンマースタジアムで生まれてもおかしくはない。もちろん、大人だから、まずはチームの勝利を最優先にやるべきことをやってから、になるだろうけれど。