9月30日、明治安田生命J1リーグ第25節がニッパツ三ツ沢球技場で行なわれ、横浜F・マリノスとサガン鳥栖が対戦した。後半にアウェーの鳥栖が先制するも、終了間際に横浜FMがエリキのゴールで同点に追いつき、勝ち点1を分け合った。

上写真=CBで先発した鳥栖の松岡がジュニオール・サントスと競り合う(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月30日 J1リーグ第25節(@ニッパツ:観衆3,431人)
横浜FM 1-1 鳥栖
得点:(横)エリキ
   (鳥)森下龍矢

・横浜FMメンバー◎梶川裕嗣、DFチアゴ・マルチンス、喜田拓也、伊藤槙人、MF水沼宏太、扇原貴宏、和田拓也(69分:マルコス・ジュニオール)、高野遼(10分:大津祐樹)、FW松田詠太郎(43分:エリキ)、ジュニオール・サントス(83分:天野純)、前田大然(69分:エジガル・ジュニオ)

・鳥栖メンバー◎GK高丘陽平、DF森下龍矢(75分:小林祐三)、原輝綺、大畑歩夢、MF樋口雄太、梁勇基(64分:本田風智)、原川力、松岡大起、FW石井快征(75分:内田裕斗)、趙東建(64分:林大地)、金森健志(57分:小屋松知哉)

「この経験を次に」(金明輝監督)

 試合後の両監督の表情は対照的だった。鳥栖の金明輝監督は「アウェーで勝ち点1をしっかり取れたこと、選手たちがハードワークしてくれたことを誇りに思う。よく頑張った」と語ったのに対し、土壇場で追いついた横浜FMのアンジェ・ポステコグルー監督は「何もなかった。90分通して、ただ試合をした、それだけ。負けなくてよかった」と吐き捨てるように言った。

 事実、前後半を通じてゲームを優位に進めたのは鳥栖だった。序盤から連動したプレスで横浜FMのパスワークを遮断し、縦に速い攻撃で何度も相手ゴールに迫った。

 充実の前半を終えて、後半開始早々の49分に先制点を奪う。原川の左CKは相手に一度クリアされるも、こぼれ球を拾った森下が右足で豪快に蹴り込んだ。「球際の強さ、反応の速さが生きた。思いっきり打ったら入った」。大卒ルーキーはこれで2試合連続ゴールとなった。

 この日の鳥栖は本来ボランチの松岡がCBを務めるという緊急事態の中、高い集中力を保ち、素早い寄せでボールに食らいついた。松岡はハードな守備で相手FWのジュニオール・サントスに自由を与えず、20センチ弱ある身長差のハンデを感じさせなかった。

 松岡にとって悔やまれるのは84分のミス。自陣でのパスが横浜FMの天野にカットされ、そこからエリキに同点ゴールを決められた。「きょうみたいなミスをすると逃してくれない」と金明輝監督。それでも指揮官は「個々の能力の差があった中で、グループとしてしっかり戦ってくれた」とチームの戦いを評価し、「若い選手たちはこの経験を次につなげていかないといけない」と前向きに語った。

取材◎多賀祐輔 写真◎J.LEAGUE


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