上写真＝前節の仙台戦で見せた戦う姿勢を、大一番でも選手に求めていく（写真◎FC東京）
すべての力を出して挑まなければ
3位FC東京vs 2位セレッソ大阪。順位は暫定ではあるが、ビッグマッチがやってくる。首位を独走する川崎フロンターレにどちらが近づいていくのか。その挑戦権を得るかのような、シーズンの行方を占う大一番である。
FC東京の長谷川健太監督は、とにかく相手をリスペクトする。
「上の順位なので、力のあるチームです。昨シーズンの堅守に得点力をプラスしている印象で、どこがウイークであるのかというところがないと思います。全力ですべての力を出して挑まなければ勝ち点はありません」
切迫した覚悟が見える。FC東京はアジア・チャンピオンズリーグに出場する関係もあってさらなる超連戦が続いていて、主力にケガ人も増えてきた。「戦える選手をピッチに送り出すだけです。ローテーションも何もなく全力で目の前の戦いに挑みます」と台所事情は苦しい。だからC大阪の現状について、長谷川監督もうらやむような言葉を漏らす。
「坂元の存在が大きいと思います。彼が加入したのがプラスアルファになっています。そして、清武のコンディションが安定しているようで、彼の存在がチーム力の安定につながっていると思います」
FC東京のアカデミー出身である左利きのドリブラー、坂元達裕を右に、パサーでありフィニッシャーでもある清武弘嗣を左に据えるサイドハーフに警戒心を強めるのだ。
そこで、キーマンに挙げたのが小川諒也だ。坂元との直接対決が予想される左サイドバック。
「諒也は坂元とマッチアップしますから、彼のパフォーマンスが攻守においてキーになるのではないかと思います」
深い切り返しと、その切り返しをダミーに使った突破の両方を自在に操るのが、坂元の武器だ。それを止めるために、小川が立ちはだかる。
C大阪は前節、鹿島アントラーズに敗れている。FC東京はベガルタ仙台を1-0で下していて、長谷川監督が選手に求めた「ディテール」の部分を徹底して戦い抜き、FC東京らしい守備の粘りを取り戻すことができた。
「前節では、続けていくという部分とチーム全員で戦えたところを見せてくれました。いいところは引き続きやっていって、誰が出ても戦っていきたい。セレッソが相手ですからいい守備をしても破られたり危ない場面を作られる可能性は十分ありますが、東京のサッカーを変えるつもりはないですし、東京のサッカーをしながら勝ちたいと思います」
いざ、決戦へ！
