明治安田生命J1リーグで暫定3位につけるFC東京。今季、台頭してきた若手の筆頭が安部柊斗だ。リーグ戦14試合に出場して2ゴールを挙げている「若頭」が、2試合の「お休み」でリフレッシュして英気を養った。

上写真=安部はゴールを決めた自信でさらに成長を続けている(写真◎Getty Images)

「うかうかしていられないなと」

「秋休み」を終えて、フル充電完了だ! FC東京のルーキー安部柊斗が、ローテーションの関係から9月9日のJ1第15節横浜FC戦と12日の第16節ヴィッセル神戸戦の2試合で「お休み」となった。

「2試合でベンチ外となってコンディションも良くなっていますし、逆に外からチームを初めて見ることができたので、いろいろな感想を持ちました。いい2試合になったと思います」

 今季加入したルーキーとは思えない存在感を示してきた。再開初戦の第2節柏レイソル戦で先発して以来、出ずっぱり。ようやく一息ついたところだが、不在だった2試合は1勝1分けと結果が出ている。「(品田)愛斗とか、自分よりも若い選手が躍動しているのを見て刺激になりましたし、自分もうかうかしていられないなと思いました」

 リーグ戦は17試合を消化して、16日の第24節大分トリニータ戦から「後半戦」に入る。「出る機会があったら、休んでいた分、フルで行けると思うので、自分らしさを全開にして得点を狙っていきたいと思います」

 この「得点」が安部のキーワードだ。第11節のサンフレッチェ広島戦で初ゴールを記録してから、9月2日のJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝の名古屋グランパス戦で2ゴール、3日後のJ1第14節大分トリニータ戦でも1ゴールとノッている。

「意外と自分のプレーが通用するというのも分かってきました。プロに入った最初の頃、2月とか3月は難しいというか戸惑うときもあったんですけど、いまは通用するし勇気を持って球際に行けているので、大学時代より自分らしいプレーが出てきているのではないかと。ゴールを決めることができているのが、一つの成長なんじゃないかなと思っています」

 高萩洋次郎をアンカーにして、アルトゥール・シルバと安部がインサイドハーフに入る中盤の組み合わせがフィットしてきた時期と、安部の連続ゴールのタイミングが重なる。「走れば何かが起きます。インサイドハーフだと前に出やすい」と役割が整理されてきたのが大きい。

「川崎(フロンターレ)の大島(僚太)選手と対戦したときに、飛び出して前に関わっていくスプリントを見て、インサイドハーフが出ていけばチャンスになるし、おとりになってもう一つ奥が使えるのは参考になりました」

 ライバルチームの猛者たちからも、盗めるものは盗む。どれが自分の役に立つプレーなのかを見抜く目は持っている。

「ハードワークしたり球際で勝ったり、前に飛び出してゴールを決めるのを理想としています。そこは積極的にやっていきたいと思います」

 泥臭く、でもスマートに。両方の魅力を持った「若頭」が、後半戦はさらに大暴れしそうだ。


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