上写真=現在4連勝中のC大阪。首位の川崎フロンターレを追いかける(写真◎Getty Images)
チーム平均121回
9日の札幌戦ではMF奥埜博亮がクラブ通算1000ゴール目を含む2得点を挙げ、今季初の4連勝を飾ったC大阪。体力の消耗が激しい夏場においても安定感が光っている。
好調の要因はスプリント回数にある。15節を終えた時点でチーム平均のスプリント回数は121回。これはJ1で最も少ない数字だ。2番目に少ない横浜FCは平均141回で、C大阪の省エネぶりが際立つ。
その理由についてロティーナ監督は「我々がポゼッションを大切にしてプレーするチームだから」という。「ポジションとポゼッションを重要視してプレーしているため、組織が崩れた状況が少ない。だからスプリントも少なくなる」。常に自分たちのペースで試合を進め、相手に走らされる場面が少ないということだ。
ロティーナ監督のチームは堅守で知られるが、それも「ポゼッション」に起因する。「サッカーで一番良いディフェンスというのはボールを持つことです。ボールを持っていたら相手は攻撃できないからです」。ここまで1試合平均の失点数は0.87でリーグ2位。指揮官の言葉にも説得力が増す。
もちろん、ポゼッションに固執してスプリントを禁止しているわけではない。大切なのは的確な状況判断。
「我々のプレースタイルでは、特にディフェンスの部分でポジションを守り、組織を壊されないようにディフェンスをするので、スプリントが減るのは良いことです。反対に、攻撃の部分では相手の裏に抜けたり、スプリントが必要なときがあるので、必要なときにスプリントできているのか一つひとつのプレーを評価していく必要があります」
つまり、スプリントも量より質ということだ。
なお次節の対戦相手、横浜FMの平均スプリント回数はJ1で最も多い184回。また走行距離もリーグ1位で、最も“走る”チームである。相手に主導権を握られ、走らされる展開となったらC大阪は苦しい。反対に、いつもどおりスプリント回数が少なければ、今季初の5連勝を達成しているはずだ。