上写真=古巣である仙台との初対戦となった永戸勝也(写真◎J.LEAGUE)
■2020年9月9日 J1リーグ第15節(@カシマ:観衆3,839人)
鹿島 2-1 仙台
得点:(鹿)エヴェラウド、上田綺世
(仙)長沢駿
「やっとアントラーズらしいものを聞けた」
永戸勝也の左足が、その精度の高さを示した。
「前を向いたときに綺世(上田)が走り出していたので、センターバックの裏(のスペース)に落とそうと思って、強く、大きく蹴りました」
正確無比なキックで前方に送ったボールは上田綺世の足元に収まり、ゴールへとつながった。
「綺世はあそこから仕掛けて自分でシュートを打てる選手。いいボールを蹴れたなということと、あそこで決めきってくれた綺世に感謝です」
永戸がお膳立てして上田が決めたチーム2点目が結果的に決勝ゴールとなり、鹿島が2-1で仙台を破った。昨季まで仙台に在籍していた永戸にとっては、古巣との初対戦を勝利で終えることとなった。
「試合前は、少し味わったことのない緊張感が自分の中にありました。ジャーメイン(良)がスタメンで出てきてマッチアップするので、高ぶる感情はあったけれど、その勢いのまま行ったらたぶんやられてしまうだろうなと。高ぶる気持ちを抑えながらプレーすることが今までにはなかったので、また違った緊張感がありました。でも、落ち着いて試合に入れたし、自分のやるべきことを全うできたかなと思います」
また、この試合では、解禁された手拍子がサポーターから送られた。「拍手よりは、サポーターがいるなと感じる場面が多かった」と永戸は振り返る。
「ACLのとき以来の応援というか、手拍子があって、やっとアントラーズらしいものを聞けたなというのが率直な気持ちです」
鹿島は8月8日の第9節鳥栖戦以来、およそ1カ月ぶりのカシマスタジアムでの勝利となった。アウェーの地で重ねてきた連勝も「4」に伸ばした。
「でも、いま思えば開幕から数多く負けてきているし、まだ借金はあると思う。満足せず、『次の試合も(勝利を)』という気持ちに切り替えて、またいい準備ができればと思っています」
今季、ザーゴ体制下の鹿島で試合に出続ける左の翼は、さらなる高みを目指して次戦も勝利を目指す。
現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE