上写真＝FC東京戦に向けて「しっかり準備する」と話した下平監督（写真◎J.LEAGUE）
強力なカウンターをさせないように
4バックを採用して以降、守備が安定しつつあった横浜FCだったが、前節のサガン鳥栖戦では3失点。その理由について下平監督は、経験豊富な伊野波雅彦とヨン・ア・ピンの2CBが不在だったことや連動性の問題というよりもむしろ、活動休止明け初めての試合で、相手のモチベーションが想像以上に高かったことを挙げた。
「われわれのゲームプランとかもありますけど、それ以前というか、鳥栖の久々のゲームにかける思いとか、そういうところで単純に上回られたと思います。
かなり良い準備ができて自信を持って臨んだんですけど、やはり3点取られていますし、ビルドアップのところもいつもより、うまく前進できなかった。失点シーンに関しても、とくに1点目なんかは、クロス対応のところで、われわれの決まりごとの中では絶対にあってはいけない失点の仕方でした。対応としてまずかったし、課題が残りました」
確かに切り替えの部分や球際バトルで後手を踏んだ面はある。その上ビルドアップを寸断されては、3失点も致し方なし、だろう。中3日で迎えるFC東京戦に向けて指揮官は、「いま一度、われわれのベースとなるところに立ち返るのであれば、カウンターが得意なチームであれば、カウンターさせないようなビルドアップだったり攻撃というものをしっかり準備しなければいけない。あとは、FC東京さんは明らかに前線にタレントがいるので、そのタレントに勝負させないような準備をしないと難しい試合になると思っています」と話した。
現在のチームは再開当初のようにハイプレスをことさら重視することはなく、自陣に入ってきたところでプレスに出ていく形やブロックに引き込んでボールを奪う形も採用しつつ、ケース・バイ・ケースの戦い方を見せている。無暗に高い位置を取ってFC東京の得意の形を引き出すような愚は犯さないだろう。
また、攻撃では自陣でビルドアップのパスをひっかけて、これまた相手が得意とするショートカウンターを浴びることを避けたい。どこでボールを奪うのか。そして、どんな手段とルートでボールを前進させるのか。FC東京戦のカギは、まさにここだろう。
「連戦なので、選手もだいぶ疲れてきているところもありますし、前回3連勝したときとは違って、鳥栖に0-3で負けたことで頭の方も疲労している部分もある。その意味で選手の入れ替えも必要かなと思っています。ケガ人も多いので、メンバーは限られていますが、やりくりしたいなと」
チーム状態は良好とは言えない中で、下平監督の選手起用もゲームのポイントになりそうだ。注目の試合は今夜19時、味の素スタジアムでキックオフされる。
