上写真=仙台戦に向けたトレーニング中のザーゴ監督。自ら参加する場面も(写真◎鹿島アントラーズ)
大事なのは相手よりも自分たち
上位陣とのアウェー3連勝でチーム状態が上向いてきた。ザーゴ監督はチームの着実な成長に手応えを感じている。
「就任当初から結果を求めてきましたが、私のやり方が浸透するまでの時間は必要でした。当然、それには時間がかかりますし、まだかかっているところもありますが、いまは選手に求めている攻守の役割が一人ひとり整理できてきていると思います。
守備ではできるだけ相手が自陣のゴールから遠いところでプレーさせるべく高い位置からプレッシャーをかけていくこともできるようになってきているし、攻撃では相手のボックス付近でパス交換をする、動き出しをする、進入する、シュートするということを、自然に表現できるようになってきています。
もちろん、選手は私を満足させるためにやっているわけではないですが、クラブもサポーターも、満足できる結果と試合内容になってきているのではないでしょうか」
リーグ再開後、苦しい7月の1カ月を経て、成績が安定しない8月序盤を過ごして、今ようやく求めてきた戦いができるようになってきた。失点を重ねている点は気がかりではあるものの、改善に手を尽くしており、今後、状態は上向いていくものと指揮官は見ている。
8月23日以来のホームゲームとなる仙台戦について、ザーゴ監督はこれまでと変わらず「継続」をポイントに挙げた。
「今週、2試合(仙台戦、清水戦)ありますが、しっかり勝つという目標を立ててわれわれは取り組んでいます。その目標を達成するためには、これまでやってきたことを継続しなければいけません。一番難しいのが、この継続です。
チームとしての安定感や集中力、注意力を維持できるか。攻撃の部分で言えば、ボールを保持して、慌てずに相手ゴールに向かえるかどうか。守備では相手は守備的なチームでもありますが、(仙台が)セットプレーが強いということで、しっかりとリスクマネジメントしながらプレーできるかどうか。
相手の長所を消すことも大事ですが、大事なのは相手よりも自分たちではないかと。自分たちがここ数試合でできえいるものをやり続けられるかが一つのポイントではないかと思っています」
結果が出ない中でやり続けることは難しい。だが、「一番難しい継続」を実践し、その時期を脱した感もある。ここからは、いかに上位陣に迫っていけるか、だ。
「このクラブがタイトルを求められています。タイトルを取りに行かなくてはいけない。確かにいま、勝ち点差を考えると非常に難しい状況ですが、最低限ACLの出場枠を手にしなくてはならない」
タイトルを諦めたわけではないものの、連勝を延ばして、一つでも上へ。一戦必勝で勝ち点を積んでいく。