上写真=ルヴァンカップの大分戦で2得点を挙げた北爪。C大阪戦で再現なるか?(写真◎Getty Images)
自分の持ち味は推進力と爆発力
ここまでリーグ戦で先発したのは4節の川崎フロンターレ戦(7月11日)のみ。しかも北爪は前半45分で交代となった。やっと巡ってきたチャンスをつかみきれなかった。本人が振り返る。
「川崎戦でスタートのチャンスがありながらも、結果的に自分の良さを出せず、チャンスを生かし切れなかった。そういう現状がある中で、メンバー外になる時期もありましたし、そこで改めて自分にしかない特長を客観的に見つめました」
悔しさを糧にするとはよく言うが、北爪は実際に、糧とした。川崎F戦からちょうど1カ月後のルヴァンカップ、グループステージ第3節の大分戦。先発で出場機会を得ると、2ゴールをスコア。持ち前の推進力と切れ味鋭い突破を示した上にゴールも決めて、見事にチャンスをつかんでみせた。
「特長の前への推進力と爆発力というところを出すべく、練習から良いコンディションでしっかり取り組めていたと思います。ゲームに出たときが勝負だなとずっと感じていて、(ルヴァンカップの)大分戦の2ゴールはちょっと出来過ぎですけど、結果にこだわることは意識していました」
この大分戦をきっかけに、北爪はリーグ戦でも途中出場の機会をコンスタントに得るようになっていく。そして今、最終ラインに故障者が相次ぎ、サイドバックの選手が中央に回る必要も出てきたため、北爪にも右サイドバックで先発機会が訪れようとしている。
「途中出場が増える中で、どちらかというと、点を取らなきゃいけない、点が欲しいという場面で起用されることが多かった。とくに連戦でよりタフなゲームの後半残り20分とかは誰もがきついですが、神戸戦(11節、8月19日)では、(自分が出ることで)前に行くという意識の部分を出せたかなと思います。川崎F戦を経て、自分が求められていることを認識できたという部分はあると思います」
巡ってきたチャンスをものにし、自身の存在価値を示していくのはプロの世界では当たり前。北爪は力強く言った。
「僕もその一人ですけど、(ケガ人の影響で)チャンスが来る選手もいるので、そういった意味ではモチベーションは非常に高いし、それをキープできていると思います。人が変わっても、勝ちにこだわれるだけの選手層があるのは、今年のチームの特徴でもあると思う。だからそこはあまり心配していません。試合は続きますし、またルヴァンも含めて、リーグ戦でも勝ち点3を積み上げていきたい」
そして今季からチームに加わった北爪は今、レイソル特有の『勝負に徹する強さ』を実感しているという。
「改めてレイソル特有の勝負に徹する強さや雰囲気というのは、チームにいながらも感じています。勝負に徹するところは練習からも感じていますね。このチームで一発勝負に臨むとすると、相手にとっては嫌だと思う。しっかり自分たちの良さを出せれば、レイソルには間違いなく上に行ける選手たちがいますし、雰囲気もあります。だから試合が楽しみですし、タイトル取れるチャンスはあると思っています」
明日2日、ルヴァンカップの準決勝で対戦するのはセレッソ大阪だ。今季リーグ戦では1-3で敗れた相手。当然、厳しい戦いになることは必至だが、「相手のレベルが上がれば上がるほど、DFにはチャンスともとらえられます。そもそもそこで簡単にやられているようでは、今後のリーグ戦でも厳しいと思いますし。なかなかピッチに立てなかった悔しさをしっかり表現したいと思っています」ときっぱり。「勝負強いレイソル」の一員となった北爪は、C大阪戦で自らの力を示す。