上写真=守備の仕事人の復帰は、C大阪にとって大きい(写真◎Getty Images)
「もう目の前にあるような感じです」
守備の仕事人が帰ってきた。木本恭生が明治安田生命J1リーグ第12節のベガルタ仙台戦で、後半アディショナルタイムに登場する「試運転」。1週間後の第13節横浜FC戦では後半から登場して本格復帰を果たし、2-1の勝利に貢献した。
好調のチームを守備で支えてさらに高めていく復帰は頼もしい。本人も「1カ月ぶりに45分プレーして、もちろんまだまだコンディションは上げなければいけないですけど、最低限のプレーはできたかな。コンディション自体も悪くはないですよ」と一安心だ。
ブレーしたのはボランチだったが、センターバックとどちらでもプレーできるだけに、ロティーナ監督にとっては選手起用の幅が広がって助かるはず。では、どちらのポジションに比重を置くことになるのだろう。本人は「そこはなかなか言えないところ」と笑うが、「個人的には両方できるように常に準備しています」と心強い限りだ。
9月2日のゲームはJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝。柏レイソルとの一発勝負だ。
「レギュレーションが変わって一発勝負になったので、ホームでできるアドバンテージはあると思います。しかも、3回勝てば優勝なので、もう目の前にあるような感じです。タイトルを取るんだという強い思いを持つことが必要です」
2017年にこのタイトルを手にしているから、その経験を存分に活用できる。「リーグ戦に出ていない選手が結果を残すことで、チームに力を加えられます。普段試合に出ている選手が力を出すのももちろんだけど、そうではない選手が100パーセントを出せるかが大事です」
ケガで戦列を離れていたから、今回は自身も後者の立場だと意識しての発言かもしれない。
柏とは8月15日のJ1第10節で対戦したばかり。押し込まれながらも3-1で勝ったこの試合に、木本は出場していない。
「相手のアグレッシブな守備や球際の強さで主導権を握られました。その相手の強みを出させないこと。強さの裏には必ず弱みがありますから、そこを突いていければ。ウイークポイントは分かっています」
豊富な経験があるからこそ見える、相手の「弱さ」。それが何であるのかは、ピッチで自らが示す。