JリーグYBCルヴァンカップの準々決勝が9月2日に迫ってきた。FC東京は名古屋グランパスを迎える一発勝負だ。リーグ戦とはまた別の緊張感に包まれるが、FC東京の長谷川健太監督は先制点にフォーカスしている。

上写真=長谷川監督はチーム力アップを実感した8月を超えて、まずは名古屋を倒す(写真◎FC東京)

「アグレッシブに戦う」

「先制点です」

 9月2日はJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝。FC東京は名古屋グランパスと戦う。レギュレーションの変更により一発勝負となったから、従来とは戦い方も変わるだろう。必要なものは、と問われた長谷川健太監督は、過去にタイトルを獲得してきた経験から、間髪を入れずにそう即答した。

 名古屋とは8月15日に明治安田生命J1リーグ第10節で対戦したばかり。このときはレアンドロのゴールで1-0の勝利を収めている。イメージは悪くはない。だが、条件が違うのだと長谷川監督は指摘する。

「前回は名古屋が中2日とタイトな日程での試合でした。だから、本来の名古屋の力は出ていないと思います。今回はどちらも同じ中3日ですが、名古屋の方はその前に1週空いてからの中3日(FC東京は連戦6試合目)なので、コンディションは非常にいいはずです。だから、前回勝ったからと言ってそれは関係ないと思いますし、リーグ戦では川崎に土をつけたりするなど力があって、結果を出しています。持っている力を出し切って戦いたいと思います」

 そう分析する名古屋から、大事な先制点をどう奪うか。もちろん、多くを明かすことはないが、ヒントになりそうなのは次の2つのコメントだろうか。

「対戦相手によって戦い方を変えることはあまりしませんが、一発勝負では相手のことを考えなければと思っています。リーグ戦とカップ戦の戦い方は変わるので、相手の状況を考えながら戦っていかなければ」

「いつものようにアグレッシブな戦いができればと思っています。PK戦のことは考えずに90分で決着をつけられるように戦いたい」

 いつも通りに、でも名古屋対策もしっかり。それがどんなものであるのかは、以前のオンライン会見で「ベストメンバーで臨む」と宣言しているように、最強イレブンがピッチで描くはずだ。

 橋本拳人と室屋成が移籍し、東慶悟が負傷で長期離脱する中で、その「ベストメンバー」の再構築は急務だった。

「セレッソ戦(8月9日)からバランスのいい戦い方ができるようになったのが大きいです。すべてが結果に反映されているわけではないですが、内容も試合を進めるバランスも改善されて、8月はうちにとっては大きな1カ月でした」

「ベースは出来上がったと思っています。これからは、どこまでそのベース自体のレベルを上げていけるか。若い選手も出てきましたし、チーム内競争をしながらチーム力を上げていきたい」

「春から新しい4-3-3のシステムに取り組んできて、選手とともにトライアンドエラーを繰り返してきました。ダブルボランチと3トップもやりましたが、8月にはアンカーシステムの4-3-3で結果が出なくても我慢して戦ってきました。そのベースをじっくりと時間をかけて練習からやり込めたのは非常に良かったと思います」

 ルヴァンカップで準決勝に進むため、そしてFC東京の未来を見据えるために、9月2日のピッチにどんな選手が立つのかは非常に興味深い。


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