上写真=オンラインで取材に応じるフィンク監督(写真◎VISSEL KOBE)
自信をもって試合に臨む
トルステン・フィンク監督は選手として、バイエルン・ミュンヘンで多くのタイトルを勝ち取った。その中には、2001年のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)も含まれる。
バイエルンは先日、パリ・サンジェルマン(フランス)を下して7シーズンぶりのCL優勝を果たした。フィンク監督も古巣が戦うCL決勝をチェックしたようだ。
後輩たちが栄冠を取り戻したわけだが、フィンク監督は“先輩”ではなく指導者としての視点から試合を見たという。
「戦術面においては(マンチェスター・シティのペップ・)グアルディオラ監督の前に出る者はいない。まぎれもなく彼がトップ。(パリ・サンジェルマンのトーマス・)トゥヘル監督も、戦術面に関しては本当に優れていると思う。バイエルンの(ハンス=ディーター・)フリック監督は、人のマネジメントが本当にうまくできていると思う。あそこにいるメンバーで最大限の力を出せた。チームワークを磨くなど、チームが一丸となって戦う姿勢でバイエルンが強さを示せたと思う」
チームで一致団結して戦う姿勢は、フィンク監督も神戸ですでに示している。その証が、今年元日の天皇杯優勝だ。指揮官は「一丸となることは証明していると思う。ああやってチームにならないと、タイトルは勝ち取れない」と、クラブ初のビッグタイトル獲得を誇る。
選手たちの力を引き出すポイントとして指揮官は、「信頼関係の構築」を挙げる。
「選手はプレッシャーを与えればパフォーマンスが上がるわけでないと思っている。大事なのは監督と選手の関係性。監督も選手をリスペクトして、彼らのためにやっていることが伝わらないと選手たちも頑張れない。そういったことがそろえば、本当に強いチームになる」
前節の浦和レッズ戦でもその一端は見て取れた。連戦のさなか、大きくメンバーを入れ替えたが、アウェーで勝ち点3を持ち帰った。フィンク監督も「本当に良い試合ができた。たくさんメンバーを入れ替えたが、フレッシュなメンバーで個の能力に頼らずチームで勝ち取った勝利。(それまで)メンバー外だった選手も嫌な気持ちを出さずに、チーム一丸となって臨めた試合だった。特に若い選手の働きには満足している」と喜びを口にした。
明日26日、信頼する選手たちとともに次なる大一番に臨む。中2日で迎える川崎フロンターレ戦だ。
「攻撃的だし、ディフェンスのスペースの間もうまく利用する素晴らしいチームだと思う。ただわれわれも昨年、(リーグ戦と天皇杯で)2度も川崎に勝利した経験があるので、自信を持って試合に臨んでいいと思う」
首位独走チームとの対戦は、チームの成長を示す絶好の機会となる。