明治安田生命J1リーグ第12節でFC東京のホームに乗り込んだ湘南ベルマーレ。今季2勝目を狙ったが、またもや敗れた。悩める湘南に必要なのは、まずは一つのゴール。山田直輝はチャンスを決めることと増やすことを求めていく。

上写真=山田は6連敗に「決定機に決めないと」と悔やむ(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月23日 J1リーグ第12節(@味スタ:観衆4,599人)
FC東京 3-0 湘南
得点:(東)永井謙佑、ディエゴ・オリヴェイラ、原大智

タリクのシュートが入っていれば…

 37分にCKから押し込まれ、84分にはFKを止められた直後、相手GKのパントキックからカウンターを食らって失点し、アディショナルタイムにもCKをクリアされたところからカウンターで一気にゴールを陥れられた。0-3の黒星。

「立ち上がりからプレッシャーをかけてボールを奪って前に行くというところを意識して入って、立ち上がりの内容は良かった」と浮嶋敏監督も評価する序盤を過ごしたにもかかわらず、終わってみれば3失点。前節の名古屋グランパス戦も最後の最後にCKからオウンゴールを献上して0-1で敗れている。「今回もいい流れの中でコーナーから失点しまった。練習でやってきている中で、まだ失点してしまうのは課題」と浮嶋監督もつい嘆く。

 もちろんチャンスがなかったわけではない。山田直輝は「相手の背後を突いていくのが今日の僕らがやろうとしていたことだった」と明かす。右ウイングバックでのプレーとなった岡本拓也は、より具体的に「一度、外に広げてから、僕のところに入ったときにもう一度横パスをして、相手を横に向かせてから裏を狙う」という突破策を明かした。手応えもあったが、ゴールには至らず…。山田は「今日も2、3本はチャンスがあったので、それを決めていれば。チャンスを作っても入れられないのであれば、回数を増やしていかなければいけない」と厳しい表情で振り返った。

 中でも、石原直樹のパスからタリクが抜け出し、GKと1対1となった55分の決定機は象徴的だ。完全に裏を取ったのだが、タリクが右足で放った強シュートはGK林彰洋に左手でストップされてしまった。

 これで6連敗と苦しい。だが、内容が圧倒的に劣っているわけではなく、特にこの2試合は無得点に終わっているから、なおさら1点が決まれば、という思いは強くなる。

 浮嶋監督は「クロスに対して中の枚数がもう一つ足りなかった。ミドルシュートなどで、押し込んだときの精度がなければ取り切れないというのが率直な感想です」と課題を挙げるが、もちろん特効薬はない。山田の言うように決定機に決めること、チャンスの回数を増やすことに愚直に向き合っていくことになるだろう。それが実現できるだけのメンバーは揃っているはずだ。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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