上写真＝22分に逆転ゴールを決めた安部。会心の表情でプロ初得点を喜んだ（写真◎J.LEAGUE）
■2020年8月19日 J1リーグ第11節（@Eスタ:観衆2,033人）
広島 3-3 FC東京
得点：（広）野上結貴、荒木隼人、川辺駿
（Ｆ）ディエゴ・オリヴェイラ、安部柊斗、レアンドロ
左足で右上に蹴り込む
8月19日に行なわれた明治安田生命J1リーグ第11節。サンフレッチェ広島のアウェーに乗り込んだFC東京は、14分に先制されたものの、19分に追い付き、立て続けに22分には逆転ゴールを奪う。エリア外のわずかなスペースでMFアルトゥール・シルバのパスを呼び込んだMF安部柊斗が、エリア内に侵入して左足を振り抜き、ゴール右上に蹴り込んだ。
アルトゥール・シルバからパスが出たときはゴールに背を向けていたが、パスを止めずに反転して守備陣を振り切ったプレーを、本人は次のように振り返る。
「アルトゥールからのパスをもらう位置がディフェンスとディフェンスの間で、パスが来る前に周りを見たらカバーがいなかったので、そのまま行けるな、と思って、トラップせずに前を向いた」
瞬時の状況判断と巧みなターンで、一瞬でフリーになった。「自分から見て右角が空いていたので、左足で思い切り打ったら良いコースに行った」というシュートも含め、「自分でも満足のいくゴール」との言葉もうなずけるファインゴールだった。
明治大在学中の特別指定選手だった昨季にJ1デビューを果たし、正式加入した今季はJ1でも出場機会を増やしているが、公式戦無得点が続いていた。「なかなか取れず、惜しいシュートもあったので、そろそろ決めたいと思っていた」という状況でのプロ初ゴール。「チームの勝ち越し点だったので、素直にうれしい」と静かに喜びをかみ締めた。
チームはその後、3-2とリードして後半へ。安部は86分に交代で退いたが、その後の後半アディショナルタイムに追い付かれ、3-3の引き分けで勝ち点1にとどまった。「最後に点を取られてしまいましたが、その前に自分たちで点を取れるシーンがあった。そこで仕留めておかないと最後にやられるんだな、ということを、あらためて実感した」とコメントした安部は、「悔しいですけど、いい経験になりましたし、次に切り替えていきたい」と続け、ホームで湘南ベルマーレと対戦する8月23日の次節に目を向けていた。
現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE
