上写真=瀬古が58分に今季初ゴール。左足で丁寧に押し込み、西川に祝福される(写真◎J.LEAGUE)
■2020年8月19日 J1リーグ第11節(@等々力:観衆4,794人)
川崎F 5-2 C大阪
得点:(川)脇坂泰斗、家長昭博、小林悠、三笘薫、レアンドロ・ダミアン
(C)ブルーノ・メンデス、瀬古歩夢
「他のチームとは違うと思いました」
1-3と点差を開かれたわずか5分後の58分だった。セレッソ大阪の左からのFKで丸橋祐介がゴール前に送ったボールが、相手に当たって逆サイドに流れてきた。まるで瀬古歩夢の足元に吸い込まれるようだった。スピードがあり、難しいバウンドだったが、瀬古は左足のアウトサイドに丁寧に当てるようにして無人のゴールに押し込んだ。2-3と1点差に詰め寄る今季初ゴール。
「チャンスで狙っていたので、運良く入ってくれて、逆転の狼煙をあげようと思ったのですが、そうはいきませんでした。得点できたことは良かったけれど、勝利につながるゴールが良かった」
確かに3点目を失ってすぐに奪い返したこのゴールで1点差ににじり寄ったので、試合の行方は分からなくなったのだが、このあと2点を追加されて2-5で大敗してしまった。ここまでリーグ最少タイのわずか6失点と堅守が自慢だったのに、川崎フロンターレに一夜にして5点も叩き込まれるとは。
センターバックとしては、得点の甘さよりも大量失点の苦々しさが口に残る90分。「(川崎Fは)やっぱりここというタイミングのスイッチの入れ方がうまいなと感じましたし、他のチームとは違うと思いました」と素直に敗北を認めるしかなかった。
とはいえ、前節の柏レイソル戦のように守備一辺倒ではなかった。「5失点は悔しいですが、試合を通して自分たちの時間も相手の時間もある中で、ボールの失い方が悪くて奪われた失点が多かった。自分たちのミスなので改善できる、というのが試合を終わって思ったことです」とタダでは転ばない。
実は昨年のJ1初ゴールも川崎Fから奪ったもの。2年連続で決めてみせたわけだから、相性がいいのかもしれない。昨年のゴールはホームで2-1の勝利につながった。次に川崎Fと対戦するのはホーム。10月3日に、昨年の再現とこの日のリベンジを同時に達成するチャンスが待っている。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE