8月19日の明治安田生命J1リーグ第11節で最大の注目は、首位・川崎フロンターレと2位・セレッソ大阪の首位決戦だろう。しかしやはり、C大阪の堅守を川崎Fが5−2で破って、新記録となる10連勝を達成した。

上写真=大島僚太が「10」のポーズ。川崎Fが連勝記録を更新した(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月19日 J1リーグ第11節(@等々力:観衆4,794人)
川崎F 5-2 C大阪
得点:(川)脇坂泰斗、家長昭博、小林悠、三笘薫、レアンドロ・ダミアン
   (C)ブルーノ・メンデス、瀬古歩夢

画像: ■2020年8月19日 J1リーグ第11節(@等々力:観衆4,794人) 川崎F 5-2 C大阪 得点:(川)脇坂泰斗、家長昭博、小林悠、三笘薫、レアンドロ・ダミアン (C)ブルーノ・メンデス、瀬古歩夢

「みんなに感謝しています」

 川崎フロンターレは、まだまだ止まらない。

 首位と2位の頂上決戦。9連勝中でリーグ最多の29得点の川崎フロンターレと、リーグ最少タイの6失点というセレッソ大阪の顔合わせに注目が集まったが、最初に試合を動かしたのは後者の方だった。

 7分、C大阪は丸橋祐介が左からプレッシャーを跳ね除けて持ち出し、相手センターバックの間を走り抜けるブルーノ・メンデスにスルーパス、GKが出てくる直前で左足を振ってゴール左上隅に鮮やかに決めてみせた。5分で同じくブルーノ・メンデスが先制点を決めた前節の柏レイソルとそっくりな流れ。続く展開も同じように勝利へと持ち込みたいところだったが、そこはさすが川崎Fだった。

 21分に脇坂泰斗が左からのFKでニアを抜く美しい弾道で直接ゴールに滑り込ませて同点とすると、次々にパスを回してC大阪を翻弄。その典型が42分の追加点で、左の旗手怜央から中央の脇坂と田中碧による短いパス交換を経由して脇坂が右裏へ送ると、走り込んだ山根視来が戻し、家長昭博が持ち出したところで倒されてPK、これを家長本人がGKの逆を突いてゴール左に流し込んだ。

 こうなるとあとは、異次元の川崎Fワールド。後半開始間もない53分に大島僚太のミドルパスから小林悠、家長、登里享平でゴール前に進入し、こぼれたところを小林が蹴り込んで3-1に。ここでC大阪も58分にFKから最後は瀬古歩夢が押し込んで1点差に詰め寄るのだが、川崎Fは追撃をぴしゃりと許さなかった。75分には小林のパスを受けた三笘薫が公式戦5試合連続ゴールとなる追加点。77分にはその三笘が左から突破、折り返しを登里がシュート、GKに当たってこぼれたところをレアンドロ・ダミアンが押し込んで計5得点。5-2でまたも勝利を収めた。

 これで10連勝。延長戦を除く単一シーズンの連勝記録として、鹿島アントラーズ、ガンバ大阪を超えて新記録を達成した。

 敗れたC大阪のロティーナ監督は「前半に2つのエラーを犯してしまい、それをともに決められてしまった」と悔やみ、川崎Fの鬼木達監督は「記録というよりは、とにかく勝ち続けていろいろなことを感じたいと思っています。勝ちにはこだわりながら続けていきたい。みんなに感謝しています」とむしろ静かに振り返った。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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