上写真=キャプテンマークが似合う丸山。守備で好調のチームを引き締める(写真◎J.LEAGUE)
「良い循環になっています」
川崎フロンターレとのJリーグYBCルヴァンカップグループステージ最終戦を2-2で乗り切り、プライムステージ進出を決めた名古屋グランパス。好調すぎるその川崎Fに食らいつこうと、名古屋もなかなか順調だ。リーグ戦では1試合未消化の状態で勝ち点17の4位。
チームの好調の理由を、リーグ戦全試合フル出場中の丸山祐市はこんな風に実感している。
「チーム内でしっかり競争して、コンディションのいい選手を監督が使ってくれていますし、連戦でどうしてもケガ人が出てしまう中で、途中から入ってくる選手がいいパフォーマンスを見せてアピールして、次の試合でもチャンスをもらえています。試合にも勝てていますし、いいゲームができていることが多い。それが良い循環になっています」
選手の健全な競争があり、監督が公正に起用し、ピッチで結果を残し、いい内容でプレーして、勝つ。過密日程の中でも理想的なサイクルでチームが回っている。
8月15日には、7連戦の5試合目となるJ1第10節、FC東京戦が待っている。丸山にとっては古巣とのゲーム。「去年からやっているサッカーは変わってないし、手堅いチームだと思います」というのが相手に抱く印象だが、守備の要のセンターバックとしては、スピーディーなFC東京の攻撃陣が気になるところだ。
「やはりディエゴ(・オリヴェイラ)、レアンドロ、アダイウトンのブラジル人は脅威ですし、僕たちが抑えられたら勝てる確率が上がってくるということになると思います」
「ブラジル人同士の連係の部分はもちろん、例えば簡単なクリアボールでもマイボールにしてキープしてしまう個の強さもあるので、起点を作らせないところが大事になってきます。苦しかったとしても個人で打開して1点取って守りきられてしまう可能性もあると思うので、自由を与えないようにプレッシャーをしっかり掛けながらディフェンスしていきたいなという思いはあります」
厄介なのが、もう1人。元名古屋のFW永井謙佑だ。
「本当に献身的に追ってくるので、チームメートだったらプラスでしかない選手だと思っていますが、相手にしたらがんがんプレッシャーをかけてきますからね。僕がボールをもらうときにプレッシャーがかかっても余裕が持てるポジションを取ったり、味方を簡単に使って相手を走らせるように後ろで組み立てれば、プレスをかけてくる分、どこかで裏にスペースが空いてきます」
FC東京が誇る「3+1」のスピードを取り締まるポイントは2つ。自由を奪うこと。ボールを握って相手を走らせること。
昨年はホームもアウェーも敗れているが、今年は勢いは逆転している。「しっかり点を取ったからと言って、気持ちが少し緩んでる部分がある」と仲間の守備への緩みをきっちり指摘するキャプテンが、脅威の攻撃陣を止める準備はできている。