上写真=8日のJ1ガンバ大阪戦は74分から登場し、積極的なプレーを見せたレアンドロ・ドミンゲス(写真◎J.LEAGUE)
われわれはJ1を戦っている
ブラジルの北東部バイーア出身。非常に暑い地域で生まれ育ったレアンドロ・ドミンゲスは、自ら夏に強いタイプだと語る。そんな男が、まるで活躍時期を分かっているかのごとく、戦列に復帰したのは、8月1日。J1第8節の広島戦だった。
74分に途中出場を果たすと、得点にこそつながらなかったが、アグレッシブなプレーを披露した。続くルヴァンカップのサガン鳥栖戦では9分、J1のガンバ大阪戦では16分と、そこから3試合連続で終盤に登場。持ち前の攻撃センスを発揮している。ボールを持つこと、ゴールを狙うこと、仕掛けること、積極的に相手の嫌がる場所にボールを入れること。それまで横浜FCに足りなかった部分を補うかのように、短い時間ながらも意欲的なプレーでチームの攻撃を活性化してみせた。
ただ、本人は「長い間ケガで戦列を離れていたので、復帰して今はハッピー」とプレーできる喜びを感じている一方で、なかなか勝ち点を積み上げられないチームの現状に対して危機感を募らせてもいる。良いゲームをしながらも結果につながらなかったJ1の前節ガンバ大阪を振り返りつつ、言った。
「われわれが意識を変えなきゃいけない。J2ではなくJ1を戦っているんだということをしっかり意識しないといけない。J1とJ2の違いが何かと言えば、J2であれば、決定機を3本、4本と外しても次にまた決定機を作り出すことができる。ただJ1になってくると決定機は1本あるかどうか。その1本を決め切れるかどうかで、勝負が決まってくる。
(前節の)ガンバ大阪戦で言うと、いくつか決定機がありましたが、われわれはそれを決め切ることができなかった。それに対して、相手は2本だけ決定機を作られて、決められた。そんな現状を踏まえてわれわれは意識改革をしていかないと、J1で戦うことはできないかなと思います」
チームが昇格組であるという前提と、チャレンジャーであるという認識。そして新しいスタイルにトライしているという事実が、どこかで勝ち点への執着を希薄なものにしているのかもしれない。柏レイソル時代の2011年、J1昇格1年目にJ1制覇を成し遂げ、リーグMVPに輝いたアタッカーの言葉には、説得力がある。J1とJ2の違いを認識し、「意識改革」することが今、必要だという。
自身はこれから「徐々に出場時間を増やして試合勘を取り戻し、貢献したい」と話す。今夜はプライムステージ進出がかかるアウェーの札幌戦。望まれるのは、もちろん決定的なプレーだ。
違いの分かる男の仕事ぶりに、期待がかかる。