上写真=ルヴァンカップでの活躍で小林が自分の序列を上げる!(写真◎J.LEAGUE)
「消化試合だとは思っていません」
ネルシーニョ監督の、視線を感じる。
「練習でアピールしている人は試合でチャンスをもらえます。そして、そのチャンスを試合でものにできるかどうかも見ています。個々で何ができるのかを見ていると思います」
小林祐介には余裕がない。いい意味で。ルヴァンカップの第3節・大分トリニータ戦は、すでにプライムステージ進出を決めた柏レイソルにとっては消化試合。しかし小林は「僕にとっては、リーグ戦に絡めていないので試合に出られる準備やアピールをする必要があるので、自分の中では消化試合だとは思っていません」と集中力を研ぎ澄ませている。
ルヴァンカップをきっかけにチーム内の序列を高めるのはよくある話だが、第2節の湘南ベルマーレ戦で三原雅俊とボランチでコンビを組んで先発した小林は、さらなるチャンスの到来を待ち構えている。
柏は中断期間中に、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、他クラブとの練習試合を行ってこなかった。再開後もリーグ戦に出場できない選手からすれば、実戦の場はほとんどなく、明らかにゲーム経験が不足していた。だから、その湘南戦は小林にとってはやや不満の残る序盤になった。
「練習試合がなかったですし、試合勘がなかった中での試合になってしまって、最初の20分はいろいろな意味できつかったです。でも、1試合こなすことができて、次からはまた試合をするごとに良くなっていくと思います」
小林に限らずチーム全体の足が重く、ようやく好転してきたのは20分すぎの飲水タイムを経たあとだった。ネルシーニョ監督がまさに小林と三原のボランチのラインが下がっていることを指摘してプッシュアップを促したことで、湘南に握られていたテンポを奪い返した。そこからは楽しそうにプレーして、勝者の一員となった。
「リーグ戦もずっと勝てていますし、自分が出た試合では個人のパフォーマンスはもちろん、チームが勝つこと考えて持っているものを出したいと思います」「ルヴァンカップでチャンスをもらったときにインパクトを残さないと。結果を残すことと思い切ってプレーすることを心がけて練習しています」
小林の、そして同じようにはい上がろうと狙う選手たちの熱い90分は、8月12日水曜日19時に始まる。