上写真=5日のルヴァン杯・川崎F戦から中2日で臨む鳥栖戦。ザーゴ監督の手腕が問われる(写真◎Getty Images)
順位表を上がっていくために重要な試合
先日にルヴァンカップ・グループステージ第2節を含め、直近5試合は2勝1分け2敗。成績が安定したわけではないものの、連敗していたリーグ再開直後に比べれば、状態は上向いていることがうかがえる。ザーゴ監督も、一定の手応えがあるとの見解を示した。
「(川崎F戦の)結果は悔しいし、残念。私だけではなく選手も同じです。ただ、一カ月前の対戦時に比べたら、リーグで現在、一番強いと言われている相手に対してゲームコントロールもできましたし、得点チャンスも作りました。実際に得点もしました。同点、逆転もできた可能性もあったのではないかと。自分たちのスタイルというものを示すことはできたと思います。とはいえ、やってはいけない場所でミスを犯してしまい、その代償を払うことになった。改善の余地は当然あるので、もっと精度を高めていかなければいけない」
では、可能性があった中で、なぜ勝利を手にできなかったのか。指揮官が指摘したのは、アグレッシブさの欠如とミスの多さだった。
「前半、私はゲームを支配できていたと思います。ただし、アグレッシブさ、勢いが前半は足りなかった。後半から入ったメンバーはフレッシュな状態だったこともあって、求めていたアグレッシブさや相手に圧力をかけることができたのではないかと思います。
昨日、試合を見直したが、1失点目は自分たちのミスから生まれているし、最後は体の向き、ポジショニング、コミュニケーション不足による失点でした。あれも修正しなければならない。ただ、課題は残っていますけど、徐々にチーム組織が確立しつつある。あとは個人の判断の部分をより良くしていければと思います」
成長を感じつつ、安定した勝利にはつながっていない。その差を埋めることが今後の課題。明日の鳥栖戦でも、その点が重要になる。
「相手の特徴は、運動量、アグレッシブさ、闘争心にある。その部分でまずわれわれは同等のものを出さないといけない。その上で、ようやく個人能力が発揮できる。それらを同等にできなければ当然、苦しい状況になるでしょう。選手たちにはその部分で要求しています。鳥栖は、若い選手が数名いてベテランもいて、バランスが取れたチームですが、彼らのアグレッシブさに臆することなく、自分たちも同じようにアグレッシブにやらないといけない。プレスの部分で、しっかり相手に圧力をかけて勝利を目指していきたい」
球際の強さやアグレッシブさは鹿島の伝統であり、カラーだろう。これまで新スタイルの浸透にばかり目が向けられていたが、伝統のカラーを生かしつつ、新スタイルを実践できれば理想的だ。そのことをあらためて確認するのが、鳥栖戦なのかもしれない。
順位はともに12位。中2日で迎えるこのたびの一戦は、勝った方が上位への扉を開く試合という言い方もできるかもしれない。カシマスタジアムで18時30分にキックオフされる鹿島対鳥栖、注目だ。