上写真=後半立ち上がりに藤田(中央)が2点目を決めたC大阪。その後に1点を返されたが逃げ切った(写真◎J.LEAGUE)
■2020年7月18日 J1リーグ第5節(@Eスタ:観衆3,084人)
広島 1-2 C大阪
得点:(広)ドウグラス・ヴィエイラ
(C)オウンゴール、藤田直之
・広島メンバー◎GK林卓人、DF野上結貴、荒木隼人、佐々木翔、MFハイネル、青山敏弘(85分:東俊希)、清水航平(HT:藤井智也)、川辺駿(55分:茶島雄介)、森島司(75分:野津田岳人)、FW永井龍(HT:ドウグラス・ヴィエイラ)、レアンドロ・ペレイラ
※実際のポジションで表記
・C大阪メンバー◎GKキム・ジンヒョン、DF松田陸、マテイ・ヨニッチ、瀬古歩夢、丸橋祐介、MF藤田直之(90+3分:木本恭生)、レアンドロ・デサバト、坂元達裕、清武弘嗣(82分:片山瑛一)、FW都倉賢(82分:豊川雄太)、奥埜博亮(90+1分:鈴木孝司)
2-0から反撃受けるも逃げ切り
J1リーグ再開後、広島では初めてとなる有観客試合。両ゴール裏スタンドは使用せず、メインスタンドとバックスタンドのみ観客を入れての開催となったが、3084人のファン・サポーターが、2月のJ1開幕戦以来となるライブ観戦を堪能した。
従来と同じ4-4-2のC大阪に対し、広島はこれまでの3-4-2-1から、ボランチの一角の川辺がポジションを上げ、森島と2列目で並ぶ格好に。レアンドロ・ペレイラと加入後初先発となった永井が2トップを組み、ボランチが青山1人の3-1-4-2に布陣を変更して臨んだ。
試合は前半から動く。両サイドから攻め込むシーンを増やしていたC大阪が20分、奪ったボールを右サイドに展開し、坂元がマッチアップした清水をドリブルで振り切ってセンタリング。これがニアサイドでクリアしようとした広島・佐々木のオウンゴールを誘い、リードを奪った。
その後もC大阪は、ロティーナ監督が試合後に「前半は思っているような試合ができた」と振り返ったように、統率の取れた守備で広島の攻撃を寸断し、奪ったボールをスムーズに動かして優勢に進める。37分にはゴール前で都倉が倒されてFKを獲得し、清武が直接ゴールを狙ったが、惜しくもクロスバーに当たって決まらなかった。
広島も前半終了間際にようやく攻撃のリズムをつかみ、1点ビハインドで迎えた後半開始からは、ドウグラス・ヴィエイラと藤井を投入して攻撃の活性化を図った。だがC大阪は50分、敵陣深くで藤田がボールを奪うと、そのままエリア内に走り込み、清武からのパスを蹴り込んで追加点を奪う。
広島も2失点目の直後、ドウグラス・ヴィエイラがエリア内で倒されてPKを獲得。これを自ら決め(得点時間は53分)、すぐさま1点差とした。勢いづいた広島はさらに攻め込み、青山のミドルシュートや、レアンドロ・ペレイラの突破からのシュートなどで同点を狙うも、いずれもGKキム・ジンヒョンの好セーブに遭う。
C大阪はカウンターのチャンスを生かせず、勝負を決める3点目こそ奪えなかったものの、守備局面ではゴール前で体を張ってリードを死守。そのまま2-1で逃げ切り、アウェーで勝ち点3を獲得した。
C大阪のロティーナ監督は「我々にとって、とても重要で、価値ある勝ち点3を挙げることができた」と満足げ。「後半は広島がアグレッシブにプレッシャーをかけてきて、厳しい展開になったが、全体的には難しい相手に良いプレーができた。満足できる試合だった」と選手たちのプレーぶりを評価した。
前節にホームで名古屋グランパスに敗れ、今季公式戦初黒星を喫していたが、引きずることなく敵地で勝利。ロティーナ監督は「前節より良くなったのは、カウンターのリスク管理。特に前半は相手を押し込み、リスク管理をして、ほとんどカウンターを受けなかった」と、敗戦の教訓を生かした戦いを振り返った。
現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE