上写真=7月16日の練習で、笑顔も見せながらウォーミングアップを行なう永井(写真◎石倉利英)
「意外に緊張感はなかった」
7月12日に行なわれたJ1リーグ第4節。サンフレッチェ広島FW永井龍はアウェーでのサガン鳥栖戦の77分、FWレアンドロ・ペレイラとの交代でピッチに立った。
松本山雅FCからの完全移籍後、公式戦初めての出場を、本人は「意外に緊張感はなかった」と振り返る。0-0の状況で、広島はアウェーながら何とか1点が欲しい状況。89分にはセンタリングに合わせて飛び込むのが遅れ、警告を受けたものの、プレーの一つひとつに強い意気込みがうかがえた。ただ「やってやるぞ、という気持ちはありましたが、自分としては力が抜けていた。体の動きはいい感じだな、と思っていました」という。
2月に行なわれた今季初の公式戦、ルヴァンカップの横浜FC戦と、その後のJ1リーグ開幕戦、鹿島アントラーズ戦は控えに入ったが、出場機会なし。7月4日の再開初戦、ヴィッセル神戸戦はベンチ外となったが、8日の大分トリニータ戦で控えに戻り、12日の鳥栖戦で出場機会を得た。「ここに移籍してきたときから、いつチャンスが来てもいいようにやってきた」と語るように、ベンチ外となっても巻き返し、チャンスを得た。
控えで出場機会がなかったときから、試合に出たい気持ちを募らせていた。一方で「ここに来て、簡単に出られるとは思っていない」と考えており、「どこかでチャンスが回ってくる試合で、結果を残してやろうと思っていた」と語る。そのチャンスをつかみ、次は得点という「結果を残す」ことが次のステップとなる。
18日にホームで対戦するのはセレッソ大阪。C大阪U-15、U-18を経てトップチームに昇格した永井にとっては「どのクラブよりも長く所属して、小さい頃からお世話になりました。他のクラブとは違う」という特別な存在だ。それでも、いまは広島の一員。ホームでの初出場と、結果のために、ただひたすらにゴールを目指す。
取材・写真◎石倉利英