上写真=鹿島戦で決勝点を挙げた川崎Fの長谷川(写真◎小山真司)
躍動する左の翼
7月4日の鹿島戦は3トップの左ウイングとして先発。ワイドに構えてボールを呼び込み、スペースを突いては相手のディフェンスラインを押し下げた。ボックス内への走り込みにも積極的。その動きはチャンスメイカーであり、ゴールゲッター。今季、4-3-3を採用する川崎Fのフロントラインの一角として、長谷川竜也は抜群の存在感を示した。
実際、チームの決勝点を生む。30分、家長昭博のクロスをボックス内で収めると左足を振り抜き、ネットを揺らした。相手の右サイドバック、内田篤人の監視を逃れ、ボールの軌道を読んでバックステップ。右足でトラップして内田の届かない位置にボールを置くや、すぐさま左足で決めた。予測と実行にまったく無駄のない見事なゴール。
57分にも再び家長のクロスに飛び込み、ヘディングシュートを放った。惜しくも枠を逸れたが、その場所に長谷川がいた事実は、チームの攻撃が形になっていたことを示している。
これまでのキャリアでは、17年シーズンと昨シーズンにリーグ戦で5得点を挙げているが、今季の目標はそれ以上。本人は「2ケタを目指している」と話す。左の仕掛け人のイメージも強いが、3トップの一角を担う今季は、仕留め人の顔を見せている。十分に狙える数字だろう。
「点を取れるポジションを取り続けること、点が取れそうなときにしっかり走ること。ちゃんとシュートをイメージしながらドリブルしたり、そういうことが大事になる」
次節は多摩川クラシコ。中3日で臨むFC東京戦。ハードな日程となるが、出番が来れば当然、ゴールを狙っていく。
「いいチームにしっかり勝つことで自分たちもレベルアップできる。1試合1試合を目の前の相手を倒すように、しっかりやっていきます」
フロンターレ2020が採用する新システムは中盤の逆三角形ばかりではなく、当然ながら3トップの効能も大きなポイントだ。鹿島戦で2アシストの右の翼・家長と同様、サイドを駆ってボックス内に踊り出る左の翼・長谷川も、その役割を十二分に果たしている。