上写真=湘南戦に先発した18歳のGK小畑。デビュー戦を勝利で飾った(写真◎Getty Images)
■2020年7月4日 J1リーグ第2節(@BMWス)
湘南 0-1 仙台
得点:(湘)なし (仙)ジャーメイン良
指揮官も「十分やれる」と称賛
約4カ月ぶりに開催されたJ1リーグ。その再開初戦で仙台のゴールマウスを守ったのはプロ1年目の18歳、小畑裕馬だった。
2月22日に行なわれた名古屋とのリーグ開幕戦、仙台は元ポーランド代表GKのヤクブ・スウォビィクが先発し、34歳の関憲太郎がベンチに座った。今季、仙台ユースからトップチームに昇格したばかりの小畑はメンバー外。昨年U-18日本代表に選ばれるなど実力に疑いはなかったが、経験が物を言うポジションなだけに、デビューはまだ先かと思われた。
だが、リーグ中断期間に急成長。先輩を追い抜き、ベンチを飛ばして、一気に先発の座を勝ち取った。小畑は次のように自己分析している。
「練習から1年目とか関係なく自分を出していけたので、そういうところを評価していただいたと思います」
小畑の特長である俊敏な反応を生かしたセービングは、湘南戦でも存分に見せつけた。開始早々の2分、ペナルティーエリア外から強烈なシュートが飛んできたが、しっかりとキャッチ。「試合前はすごく緊張して、アップでも息が上がったけど、最初の1本目のシュートを落ち着いて止められた。そこから緊張が取れて楽しくできました」と振り返った。
1点リードで迎えた後半は湘南に押し込まれたが、最後まで安定したプレーを続け、完封勝利に大きく貢献。先発に抜擢した木山隆之監督も賛辞を惜しまない。
「初めてJリーグの公式戦のピッチに立ったとは思えないくらい落ち着いていた。十分やれるというところを見せてくれた」
仙台の次戦は7月8日、ホームで浦和レッズと対戦する。連続出場が予想される小畑は、「きょうは湘南さんに勢いがあって、あまりつなぐ形を出せなかったけど、自分の持ち味であるキックをどんどん出せたらなと思います」と、初々しい表情で意気込みを語った。
現地取材◎多賀祐輔 写真◎Getty Images