上写真=選手たちの動きの良さに、城福監督以下スタッフには笑顔も見られた(写真◎石倉利英)
全体練習再開後、初のフルコート
新型コロナウイルスの影響で4月14日からトップチームの活動を休止していたサンフレッチェ広島は、5月15日からグループ練習、同25日から全体練習を再開。6月3日は全体練習再開後初めて、フルコートでの実戦形式のメニューを行なった。
フィールドプレーヤーを9人ずつ3チームに分け、1本を8~10分のサイクルで各チームが4本ずつ消化するもので、体力的にもハードなメニューとなった。城福浩監督は練習後、「今週はウィズボールのメニューでコンディションを上げていくことを考えていて、どう上げていくのかは、いくつかのプランがあった」とコメント。「ここまでも順調に(練習の)強度を上げていて、体の張りが取れた選手もいれば、抜け切っていない選手もいる」という状況で、この日の内容を決めたと明かした。
シーズン開幕前と同じようなステップを踏む上で城福監督が意識しているのは、気候の違いだ。通常のプレシーズンのように1月から2月にかけてではなく、どんどん気温が上がっていく中で準備を進めている。「暑熱順化をしている最中なので、体の疲労だけでなく、熱疲労を考慮しなければいけない。1月や2月とは気温が15度くらい違う状況で、熱疲労と筋肉の疲労を取ることを、どう見て、どう上げていくか」。その上で、翌日以降の気温が3日よりも高くなるという天気予報も踏まえ、「ギリギリまでスタッフと話し合って、いろいろなプランを変更して」、強度の高い練習をするなら3日が最適と判断し、ゲーム形式のメニューに多くの時間を割くことになった。
実戦さながらの白熱した攻防が続き、接触プレーで痛みをアピールする選手もいたが、城福監督は「とにかく集中してやることが大事。このチームは激しいプレーはするけど、汚いプレーはしない。不可抗力で打撲くらいはあるかもしれないが、激しくやるよりも、気が抜けた状態でやる方が危ないと思っている」と意に介していなかった。7月4日のJ1リーグ再開まで1カ月となり、「チームづくりとしては、どこかのタイミングでグループ戦術に入ったり、細かいところまで詰めていくことはやっていく」と語る一方、「試合に向かう意識は、その日その日でやっていく」と、日々の練習の積み重ねという、常に語っている取り組みの重要性を強調した。
文◎石倉利英 写真◎石倉利英