歴代最多のJ1通算185得点
2ndステージ序盤は得点から遠ざかった大久保だが、第4節で2得点、第5節で1得点を挙げて連勝に貢献。その後、チームは第7節から3連敗を喫して上位から後退したものの、第10節からは4連勝。この間に大久保は4試合で6得点を挙げ、川崎Fの攻撃を引っ張った。
10月には髪型を丸刈りにして話題を集めた。闘病中の夫人を勇気づけるため、3人の息子とともに丸刈りにしたもので、直後の第14節ではサンフレッチェ広島を相手に、鮮やかなミドルシュートで同点ゴール。チームは敗れたものの、ステージ首位のチームを相手に存在感を放った。
最終的に川崎Fは2ndステージ7位、年間総合6位。大久保は2ndステージで16試合出場・12得点を記録し、シーズン通算32試合出場・23得点として史上初、現在も唯一となる3年連続得点王に輝いた。さらにシーズン終了時点でJ1通算156得点として、157得点で並ぶ中山雅史、佐藤寿人に続く歴代3位に。
大久保は翌16年序盤にJ1通算159得点として、歴代1位に躍り出た。その後はFC東京への移籍、川崎F復帰、ジュビロ磐田への移籍を経て、19年シーズン終了時点で歴代最多のJ1通算185得点。通算161得点で2位の佐藤を大きく引き離している。
川崎FからFC東京に移籍した17年に、川崎Fがリーグ初制覇を果たし、川崎Fに復帰した翌18年、シーズン途中に磐田に移籍した後に川崎Fがリーグ連覇。08-09シーズンにヴォルフスブルク(ドイツ)でブンデスリーガ優勝は経験しているものの、ここまでJリーグではタイトルに縁がない。それでも、早くからの活躍に加えて30歳を超えてからも進化を遂げ、Jリーグ史上最高のストライカーとなった男は、次のゴールとタイトルを、今も虎視眈々と狙っている。