1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第17回は、鹿島アントラーズの黄金期を支えたマルキーニョスの登場だ。

「個人タイトルを獲得したかった」

 迎えた08年、マルキーニョスは開幕から3試合連続の計4得点を挙げ、鹿島は開幕5連勝の素晴らしいスタートを切る。しかし、第6節の初黒星以降の7試合は4分け3敗と失速。マルキーニョスもこの間は3得点、3試合に欠場するなど調子が上がらなかった。

 それでも両者は徐々に本来の力を発揮し始め、8月に入るとマルキーニョスの勢いが加速。第21節から7試合連続の計8得点を挙げ、シーズン通算20得点とすると、連続得点が止まった直後の第29節では21得点目を決めた。

 その後、マルキーニョス自身の得点は止まったが、鹿島は最後の3試合を3連勝して連覇を達成。マルキーニョスは30試合出場・21得点で自身初、鹿島所属の選手としても初めてとなる得点王に輝いた。

 リーグ戦終了後に「今季は開幕前から得点王になるという目標を掲げていた。チームのタイトルと同時に、いつかは個人タイトルを獲得したかったから、本当にうれしいよ」と語ったように、有言実行の得点王でもあった。チームへの貢献が高く評価され、Jリーグアウォーズでは年間MVPにも選出されている。

 翌年も31試合出場・13得点で鹿島のリーグ3連覇に貢献した。その後はベガルタ仙台、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸でプレーし、J1通算で333試合に出場して、外国人選手史上最多となる152得点。数々のタイトルとともに、Jリーグの歴史に名を残している。

●2008年の得点ランキング(全34試合)
1位 マルキーニョス(鹿島アントラーズ) 21得点
2位 ダヴィ(コンサドーレ札幌) 16得点
3位 鄭大世(川崎フロンターレ) 14得点
   柳沢敦(京都サンガ) 14得点
5位 アレッサンドロ(アルビレックス新潟) 13得点
    ※5位まで、所属クラブ名は当時のもの

画像: 献身的なプレーでオズワルド・オリヴェイラ監督の期待に応えた(写真◎J.LEAGUE)

献身的なプレーでオズワルド・オリヴェイラ監督の期待に応えた(写真◎J.LEAGUE)

画像: 前線を幅広く動き回り、周囲を生かしつつフィニッシャーとなった(写真◎J.LEAGUE)

前線を幅広く動き回り、周囲を生かしつつフィニッシャーとなった(写真◎J.LEAGUE)

画像: DF内田篤人とともに。背番号の「18」のリストバンドをつけてプレーしていた(写真◎J.LEAGUE)

DF内田篤人とともに。背番号の「18」のリストバンドをつけてプレーしていた(写真◎J.LEAGUE)

画像: 得点王とMVP、2つのトロフィーを手に最高の笑顔(写真◎J.LEAGUE)

得点王とMVP、2つのトロフィーを手に最高の笑顔(写真◎J.LEAGUE)


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