サンフレッチェ広島MF松本泰志が、肉体改造に取り組んでいる。きっかけは、年代別代表の活動を通じて課題を痛感したこと。意欲的にトレーニングを重ねており、ポジション争いへの土台づくりに燃えている。

上写真=昨年末以降、フィジカル強化に取り組んでいる松本泰(写真◎石倉利英)

体重を増やし、下半身強化も

 4月7日のサンフレッチェ広島の練習は、広島広域公園第一球技場で行なわれた。2017年に加入し、今季が4年目となるMF松本泰志にとっては思い出の地だ。

「あまり考えたことはなかったですけど、言われてみれば、運命が変わった場所ですね」

 2016年に広島県で開催されたインターハイのサッカー競技で、松本泰が所属する昌平高(埼玉)は準決勝に進出。決勝進出を懸けた一戦は8月1日、広島広域公園第一球技場で行なわれた。市立船橋高(千葉)と対戦した昌平高は奮闘したものの、0-1で敗戦。試合後、松本泰は悔しさを押し殺して3位の表彰式に臨んでいる。

 思わぬ出来事があったのは、その後だった。当時の広島のスカウトが昌平高のロッカールームを訪れ、藤島崇之監督に練習参加を打診。チームは地元に戻ったが、松本泰はそのまま広島に残って練習に参加し、とんとん拍子に加入内定となった。今年2月のサッカーマガジンWebのインタビューで当時のことを「プロなんて行けないと思っていた」と振り返っている松本泰にとっては、まさに「運命が変わった」場所ということになる。

 そんな松本泰が現在、取り組んでいるのが肉体改造。東京五輪を目指すU-21、U-22日本代表など年代別代表に招集され、「体で負けているところがあった」と感じたことがきっかけだった。昨年12月末のU-22ジャマイカ代表との親善試合が終わってから着手し、「しっかり体づくりをして、フィジカルコンタクトで負けないように」との思いで取り組んでいる。
 
 食事を見直すなどして体重が増えた。上半身が大きくなっている一方、池田誠剛フィジカルコーチとともに下半身強化もセットで進めており、「動きづらさは感じない」という。

 2月に行なわれた今季公式戦2試合はベンチ外。広島のボランチは今季、MF青山敏弘とMF川辺駿が不動の存在で、割って入るためには、さらなるレベルアップが必要だと理解している。

「中断期間は自分を高める時期。しっかり課題に取り組んでやっていきたい。フィジカルコンタクト以外も、ボールを奪い切るところが足りない。得点に関わるところ、シュートなども高める必要がある」

 公式戦の再開時期は見えない。それでも来るべきときに備えて、ベースアップの努力を続けている。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英


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