上写真=報道陣にも非公開で行なわれた練習で、選手たちの動きに目を光らせる大槻監督(写真◎URAWA REDS)
外国籍選手へのサポートも万全
いつ事態が収束するのかも見えないが、浦和レッズは再び動き出した。朝から選手たちは、さいたま市内の練習場に集合。ピッチ上で懸命に走り、汗を流したという。
新型コロナウイルスの感染拡大の現状を鑑み、4月3日からはファン・サポーターだけではなく、報道陣の練習見学も不可に。約2時間のトレーニングを終えた大槻毅監督は、ビデオ会議ツール「Zoom」で報道陣に対応し、神妙な表情で現状について語った。
「活動するのも難しい状況なのは理解しています。いまクラブでできる最大の努力をしていきます」
選手たちの体の健康とメンタル面のケアには、最大限に気を配っている。8日間のオフ前には、全員にメッセージを伝えていた。
「まずはしっかり休むこと。不安に駆られているであろう家族を大切に思ってほしい」
特別なトレーニングメニューなどを与えることはなかった。あらためて各自の手洗い、うがいなどの感染予防を徹底したという。
「いま、できることをやる。きちんとした振る舞いをすることが大事」
日本語の理解に乏しい外国籍選手へのサポートにも万全を尽くす。Jリーグからのリリース、行政からの発表も逐一、母国語に訳して伝え、安心して過ごせるような配慮を欠かさない。
取材対応後に、J1リーグは5月9日を目指していた再開の日程が白紙になることが発表されている。それでも大槻監督は取材対応時、冷静に状況を見つめていた。
「日程などの整備はJリーグがしてくれている。選手の安全を考慮してもらっているのは良いことだと思います」
先の見えない戦いになっているが、指揮官は落ち着いて対応している。
文◎杉園昌之 写真◎URAWA REDS