サンフレッチェ広島の城福浩監督が、今後の選手起用についての考えを明かした。3月27日のガイナーレ鳥取との練習試合で、各選手が意欲的にプレー。MF野津田岳人のボランチ起用を継続していくプランを示している。

上写真=鳥取との練習試合ではボランチで90分間プレーした野津田(写真◎石倉利英)

エゼキエウはサイド起用も

 3月27日のサンフレッチェ広島とガイナーレ鳥取の練習試合は、Jリーグの再開初戦となるはずだった4月3日のヴィッセル神戸戦から逆算して、1週間前の金曜日にセッティングされていた。その後、J1リーグの再開は5月9日を目指すことが決まったが、試合は予定通りの日に45分×3本で実施。3本トータルで5-1の勝利を収めた試合を振り返り、広島の城福浩監督は「非常に難しいタイミングでの練習試合でしたが、鳥取さんも非常にモチベーション高く戦ってくれましたし、我々もチャンスを与えたい選手に長い時間を与えることができて、非常に有意義な試合だった」と満足げに語った。
 
 今季消化した2試合の公式戦(2月16日のルヴァンカップと、同23日のJ1リーグ開幕戦)に先発した11人のうち、この日の試合でプレーしたのはDF荒木隼人、MF森島司の2人だけ。指揮官のコメント通り、リーグ戦のメンバーに絡むことを目指す選手たちが長い時間プレーしている。前述の公式戦2試合でベンチ外だったMF野津田岳人が、本来のシャドーではなく、ボランチの一角で1、2本目の90分間プレーしたことについて、城福監督は「ガクのボランチは長い時間、見てみたいと、最近の(練習での)パフォーマンスで示してくれていた。ガクらしく、しっかり攻守に絡んでくれたと思う」と評価した。

 また、同じく今季公式戦2試合はベンチ外だったMFエゼキエウも、森島との2シャドーで好プレーを見せた。今季新加入のブラジル人アタッカーについても、城福監督は「森島と組んでのシャドーは、再開後に十分あり得るコンビ。攻撃面は一定の力を出してくれるようになっている」と一定の評価を与えている。
 
 エゼキエウは練習試合では初めてとなる右アウトサイド(ウイングバック)でもプレーしており、「いろいろな可能性を探る意味でも良い試合ができた」と城福監督。ポジション変更後も森島との好連係が見られたことに、「お互いのアイディアが、共有できるものがたくさんある。やりたいイメージが合致したときは、見ている我々も楽しくなるような」と納得の表情だった。さらに「そういうシーンが出てきて、攻撃の(新しい)バージョンが作れるのであれば、守備の足りないところばかりに目がいくよりも、良いオプションになる」と語り、新しい起用法に可能性を感じたようだ。
 
 J1の再開が5月9日を目指すことになり、広島は3月28日から4月2日までをオフとして、リフレッシュしてから練習を再開する。この日の試合で見せた各選手のパフォーマンス、特に野津田のボランチ起用について、城福監督は「メインでやらせるところはやらせる中でのオプションだが、ガクに関しては彼の特徴などを考え、少しボランチに重心を置いて」とコメントし、「彼の展開力、活動量を生かし、もっと引き出して、チームとして新たな主戦場としてやることも考えていいな、という試合内容でした」と、今後のチームづくりのプランを明かした。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英


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