現在、Jリーグは開幕戦を終えて中断中だが、この連載では再開後のリーグ戦で、さらなる活躍が期待される各クラブの注目選手を紹介していく。連載第16回は、北海道コンサドーレ札幌のDF進藤亮佑について綴る。

上写真=J1開幕戦でも進藤は印象的なプレーを随所で見せた(写真◎J.LEAGUE)

文◎北條 聡

特筆すべき決断と寄せの早さ

 ひょっとすると、誰よりもゴールに飢えた人かもしれない。

 本業は点取り屋――じゃなくて3バックの一角だというのに……。いや、だからこそ魅力あふれる選手なんじゃなかろうか。北海道コンサドーレ札幌の進藤亮佑だ。

 事実、数字が物語る。一昨季は4得点、昨季はチーム内で上から4番目の6得点。セットプレーの好機に乗じて、たびたびゴールネットを揺らし札幌の隠れた決め手となった。

 いやいや、見せ場はセットプレーばかりじゃない。最後方から迷わず飛び出すド迫力の攻め上がりに、この人ならではの尖った個性が凝縮されているような気がする。まるで産卵場所(ゴール)を目指し、石狩川の激流に挑む「サケの遡上」みたいな姿に………例えは何だが。

 とにかく、進藤はそれを1試合に何度も何度も繰り返すのである。ちょっとやそっとの覚悟で、できることではあるまい。何しろ、行きは天国、帰りは地獄。味方が途中でボールを失えば、再び全速力で自分の持ち場に戻らなければならないのだ。そりゃ、足も攣(つ)るわけである。

 柏レイソルの鋭い逆襲を何度も食らった開幕戦がそうだ。いくら柏の攻撃陣が速くて上手かったと言っても、ひたすら後ろで構えて対応していたら、試合後にへたり込むこともなかっただろう。もう、前半から隙をうかがい、長駆遊撃を試みていたからこそのガス欠だったか。

 これぞ進藤とも言うべき突撃が44分の場面だ。自陣半ばでこぼれ球が宮澤裕樹の足元に転がって来た瞬間、号砲一発のロケットスタート。上体をぐっとかがめ、両足を小刻みに回転させる独特のフォームから敵も味方もごぼう抜きして、一気にボックス内へと躍り出た。

 彼のほかにボックス内へたどり着いたのは鈴木武蔵と荒野拓馬だけ。最終的には鈴木が右サイドを抜け出した白井康介の折り返しを右足ボレーで狙い、シュートは枠をそれたが、逆襲自体は見事なものだった。そこにほんの数秒前まで一番後ろにいた男が絡んで来るのだから頼もしい。

 単純に足が速いから――ではない。好機か否かの見極めと、そこから行動に移す決断がとにかく早いからだ。その強みは守りでも存分に生かされている。いち早く危機を察知し、あっという間にボールの持ち手に寄せきってしまう。敵を潰しにかかるのもすこぶる速いのだ。

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