サンフレッチェ広島MF藤井智也が、プロの世界を勝ち抜いていくために必死だ。ファジアーノ岡山との練習試合では持ち味のスピードを生かし、左サイドで攻撃力を発揮。課題に目を向け、再開後のブレイクを目指す。

上写真=立命館大に通う特別指定選手ながら、スピードを生かして出場機会をうかがう藤井。岡山との練習試合でも奮闘(写真◎石倉利英)

サイドから突破を繰り返す

 3月11日に45分×4本で行なわれたサンフレッチェ広島とファジアーノ岡山の練習試合。中断前の公式戦で出場時間がわずか、あるいはゼロだった選手がプレーした3本目と4本目に、広島の左アウトサイドでフル出場したのがMF藤井智也だった。周囲とのパスワークを見せつつ、良い形でボールを持てば何度もドリブルで仕掛けて突破し、センタリングを送る。得点にはつながらず3本目と4本目は0-0に終わったが、相手を何度も振り切ったスピードは目を見張るものがあった。

 立命館大の新4年生で、今年1月に2021年シーズンの加入内定がひと足早く発表された。2月にはJFA・Jリーグ特別指定選手に承認され、16日のルヴァンカップ・グループステージ第1節の横浜FC戦でベンチ入り。87分から交代出場し、公式戦デビューを果たしている。

 さらに23日のJ1リーグ開幕戦、鹿島アントラーズ戦でもベンチ入り。この試合では出場機会がなかったが、26日に予定されていたルヴァンカップのグループステージ第2節では、先発のチャンスもあるとみられていた。だが前日にJリーグ全公式戦の延期が決まり、ポジション争いも仕切り直しとなっている。

 そんな中で90分間プレーした藤井は、「前半(3本目)は自分の特徴を出すことを意識していて、前への推進力とドリブルで良さを発揮できたと思います」と手応えをつかんだ様子。ただ後半のプレーには納得しておらず、「後半は最後の方に運動量が少し落ちて、前に絡む動きが減り、逆に守備でも消極的なプレーが増えてしまった」と振り返った。

 ただ、ドリブル突破を繰り返したことが終盤のスタミナに影響したものの、「今日はエネルギーを残すことは考えていなかった。前後半、全部(ボールを持ったら突破に)いけるくらいの選手にならないと、このチームの競争は勝ち抜けない」と覚悟している。そのために「すべてのプレーで、ある程度の良い動きをするより、マックスのパワーで続けられるだけの体力と、質をつけなければいけないと考えている」という言葉からは、自分の限界値を広げていこうとする姿勢がうかがえる。

 課題も自覚している。「広島に来たときからずっと、言われていて、変えなければいけないことは分かっている」という守備は、この日の試合中も城福浩監督からポジショニングなどを指摘されていた。また、ショートパスをつなぎながら攻略していく広島のスタイルについても「ポゼッション練習は、まだついていくのに必死です。言われて動いているので、動きが硬くて遅い。練習していて、差を感じている」と語る。

 とはいえ、「広島でポゼッションをちゃんとやれるようになっていくことが、広島で活躍するために大事なことの一つ」。そこがスムーズになれば、持ち味のスピードも、より生きてくるだろう。
 
「大学に入ったときから、ずっと貫いてきたこと。いつでもビビらずに出せていると思う」と自己評価するスピードを生かしたドリブル突破を、プロでも通用する武器とするために。Jリーグの全公式戦が延期されている現在は藤井にとって、過酷な世界を生き抜く土台を作る時期となっている。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英

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