ルヴァンカップは第1節、J1、J2も第1節を終えて中断した。この連載では開幕戦を材料に『シーズン最初の一歩』で目を引いた各クラブの注目選手を紹介していく。連載第7回はサンフレッチェ広島のMF川辺駿を取り上げる。

走れば走るほど王座が近づく

画像: 川辺は鹿島戦で攻守に存在感を示した(写真◎J.LEAGUE)

川辺は鹿島戦で攻守に存在感を示した(写真◎J.LEAGUE)

 プラス要素は攻撃だけじゃない。前から圧力をかけるプレッサーの働きも抜群だ。

 守から攻のみならず、攻から守への切り換え、さらにボールの持ち手に迫るアプローチがすこぶる速い。持ち前の推進力と運動量が守りでも効いている。

 偉大な先達(森﨑和幸)が着けていた背番号8の後継者。その責任と自覚がそっくり良質のパフォーマンスに反映されているかのようだ。森﨑とはタイプが大きく異なるだけに、これから新たなエイトマンの像を築くことになるだろう。

 喜ばしいことに、いまの広島には重鎮の青山敏弘のほかにも、新10番の森島司という極上の弓がある。近くからであれ、遠くからであれ、敵の急所を射抜く条件が整いつつあるわけだ。しかも「紫の城」は難攻不落で、開幕戦も注文どおりのクリーンシートで終えている。

 鉄壁の守りに攻撃力をどう上積みするか。川辺の破格のダイナミズムが数ある答えのうちの一つなのは間違いないところだろう。この人が走れば走るほど、広島が王座へ近づくはずだ。老婆心ながら、ライバルクラブはくれぐれもお忘れなく。

 厄介なのは6本目の矢――ということを。

Profile
かわべ・はやお◎1995年9月8日生まれ、広島県出身。広島の下部組織で育ち、ユース時代にプロ契約を結ぶ。2014年にトップ昇格を果たし、2015年から17年までジュビロ磐田にレンタル移籍。ボランチとして活躍した。18年に広島に復帰し、19年は主力としてシャドーやボランチとして活躍した。178cm、70kg


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