今季開幕から公式戦2試合連続完封勝利のサンフレッチェ広島で、ゴールマウスを任されているGK大迫敬介。20歳の守護神は、昨季からの確かな手応えと、さらなる成長への意識を併せ持ちながら練習を重ねている。

上写真=昨季から広島の正GKに君臨している大迫(写真◎石倉利英)

3バックとの連係も向上

 新型コロナウイルスの影響で、3月15日までに予定されていたJリーグ全公式戦が延期されたことを受けて、サンフレッチェ広島は2月27日から29日までの練習をオフに変更。3月1日に練習を再開し、14時から1時間強のメニューを消化した。

 広島は2月16日のルヴァンカップ・グループステージ第1節で横浜FCを2-0で下し、23日にはJ1リーグ開幕戦で鹿島アントラーズに3-0で勝って、好スタートを切っている。この2試合は先発メンバーの顔ぶれが同じで、GKを任されたのは大迫敬介。3月1日の練習後、公式戦2試合連続完封勝利について次のように語った。

「今季は新加入選手も入りましたが、特に守備陣は先発メンバーが変わっていない。去年やってきたことがゼロになるのではなく、積み上げてきてキャンプに入り、チーム全体で上積みできたことが、こういう結果につながっていると思います」

 広島ユース所属の高校3年生だった2017年春にプロ契約を結んだ守護神にとって、7月に20歳となった昨季は飛躍のシーズンとなった。J1開幕前のAFCチャンピオンズリーグ・プレーオフで公式戦デビュー、J1開幕戦でJリーグデビューを飾ると、林卓人に定位置を譲った時期もあったが、ほぼ1年を通じて正GKとしてプレー。林、増田卓也、廣永遼太郎とのポジション争いとなった今季も正GKとしてゴールを守り続けている。

 同じく昨季途中から不動の存在となっている野上結貴、荒木隼人、佐々木翔の3バックとの連係も、向上している手応えがあるという。「お互いがしっかり要求し合えるようになっていることが、良い連係につながっています。自分が去年からDF陣に求めてきたことも浸透し始めて、シチュエーションによって、やるべきことの意思統一ができている」。実戦を重ねながら、自信を深めてきた。

 定位置を目指していた昨季と、チーム内での立ち位置は変わった。それでも「向上心を持ってやることは変わらない」と語り、「一つひとつのプレーの安定感、クオリティーは、よりいっそう高いものを求めるようになっています」と言葉に力を込める。ポジションを守り続けるためには、さらなる成長が不可欠だと理解している。

 現時点でのJ1リーグ再開は3月18日、アウェーでのFC東京戦。それまでは2試合が予定されている練習試合も含め、チーム力を底上げする時間となる。

「しっかり準備できるとポジティブに捉えています。良い形で再スタートできるように、残りの時間を大事に過ごしていきたい」

 再開後も無失点を続けていくべく、紫の守護神は日々の積み上げを続けていく。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英


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