上写真＝1得点1アシストの活躍を披露した矢島慎也（写真◎J.LEAGUE）
■2020年2月23日 明治安田生命J1リーグ第1節
横浜FM 1‐2 G大阪
得点：（横）マルコス・ジュニオール
（G）倉田秋、矢島慎也
マリノス対策を練ってきた
昨季の開幕戦、ホームに横浜FMを迎えたG大阪は、前半のうちに勝負を決められた。先制したものの、45分間で3点を決められてしまう。相手を追う展開になった後半、1点を返したが、2-3で敗れ、力の差を感じることになった。
「昨季も同じカードですし、相手はチャンピオンチーム。自分たちが積み上げてきたものをどこませで出せるか。立ち位置が分かる試合になると思います」
宮本恒靖監督は戦前、そう話していた。およそ1年を経て、あの日とは逆に敵地で迎えた開幕戦。今度はG大阪が、前半に2点を叩き込む。
1点目は、矢島慎也がGK朴一圭にプレスをかけてミスを誘い、最後は、矢島から倉田秋につないでゴールを陥れた。
2点目は、守護神・東口順昭からのフィードを裏に飛び出して受けた倉田が敵陣左へボールを運び、折り返したところへ矢島が走り込んで合わせてネットを揺らした。倉田の飛び出しがオフサイドではなかった否か、VARオンリーレビューの対象となったが、ゴールが認められた。
キャンプから取り組んできた前からプレッシャーをかける守備、そして素早い攻守の切り替えが実った。攻撃的でリーグ屈指の得点力を誇るマリノス相手に2点を先行。Ｇ大阪は理想的な展開で前半を終えた。
後半は、攻撃の圧力を強めた相手に防戦一方となる。押し込まれて、自陣ゴール前でプレーする時間が多くなった。集中した守備で攻撃を跳ね返し続けたが、マルコス・ジュニオールに技ありの一発を決められた。ボックスのすぐ外から、振り向きざまのシュートを許し、ゴール左上を射抜かれてしまう。
しかし、失点はこの1点で食い止めた。
「昨年の開幕でも同じようにマリノスと同じように対戦して、まず勝つということを目標にして、そこから逆算して、対応策を練った。それは守備のやり方であったり、攻撃に関してもマリノスのやり方をどう攻略するのかという部分。具体的にはなかなか言いづらいですが、そういったものが出せy多試合かなと思います」
宮本監督は、準備してきたものを出せたと話した。
「ルヴァン（カップ）の初戦は（●0-1柏）、初めからアグレッシブではなかった。今シーズンはそうやっていくとキャンプで話していた中で、それができなかった。その結果を踏まえて、みんながもう一回、やっていこうという気持ちに持っていった。それが今日の前半、スタートになったと思います」
結果的に押し込まれる時間が長くなったものの、90分間を通して、姿勢そのものはアグレッシブであり続けようとした。交代で切ったカードは全部、攻撃的なもの。守り切るのではなく、3点目を取りに行った。
「ハーフタイムに言ったのも、3点目をどのように取るかということを伝えていた。2-1になったあとも、3点目をということだった。もちろん、バランスを崩したくないというのはありましたけども、今日の大きなテーマは攻めるというところだったので。そういった選手交代になりました」（宮本監督）
よりアグレッシブに、より攻撃的に――。G大阪はシーズンの開幕戦でJ1王者にリベンジを果たし、序盤戦に苦しんだ昨季とは異なる『姿勢』を示した。次節はホームに、ベガルタ仙台を迎える（3月1日）。もちろん、姿勢はそのままに、開幕2連勝を目指す。
