昨季15位のサガン鳥栖は川崎フロンターレの猛攻に耐えて、スコアレスドローに持ち込んだ。自陣でただ守っていたわけではない。敵陣でプレスをかけ、素早くゴールに迫る場面もあった。18歳のMF松岡大起は中盤の要として、勝ち点1の獲得に貢献した。
上写真=攻守で存在感を示したMF松岡(写真◎J.LEAGUE)
■2020年2月22日 明治安田生命J1リーグ第1節
川崎F 0-0 鳥栖
新しい鳥栖の象徴
相手にしぶとく食らいつき、要所でガツンとつぶす。松岡は中盤の底で存分に働いた。川崎Fの10番を背負うMF大島僚太にも簡単に前を向かせない。試合後は「まだまだです」と物足りなさを口にしたものの、球際の強さは目を見張った。昨季までは主にドイスボランチの一角を務めていたが、アンカーでも献身的な仕事ぶり見せた。
攻撃面では巧みにパスをさばき、ゲームを作った。状況を見ながら大きくサイドに展開し、前を向いて縦にパスを入れた。それでも、「マイボールの時間がまだ少ない。そこは課題です」と手応えはほとんどないようだ。
昨季は17歳でリーグ戦デビューを飾り、今季はJ1で2年目のシーズンとなる。物怖じしないしている様子はまったくない。
「ピッチに入れば、年齢は関係ありません」
U-17日本代表をはじめ、各年代別代表に名を連ねた経験を持ち、昨年は東京五輪世代のU-22日本代表にも飛び級で選出された。自信を持っているのだろう。
鳥栖のアカデミー組織で育った18歳は、いまやチームの中軸を担う存在になってきた。金明輝監督も大きな期待を寄せている一人だ。本人には中心選手としての自覚が芽生えている。
「若い選手たちが、チームを引っ張っていかないといけない」
この日は同じく18歳のMF本田風智がリーグ戦デビューを果たし、チームの先発平均年齢は約24歳だった。新しい鳥栖の象徴として、さらに飛躍していくつもりだ。
取材◎杉園昌之