上写真=山根はさらなる成長を求めて移籍を決断した(写真◎BBM)
サイドからゴールを狙う
決断に迷いはなかった。川崎Fからオファーをもらったときはうれしい反面、不安もあったという。それでも、すぐに答えは出た。
「即決でした。チャンスをもらって、行かないという選択肢はない。飛び込むしかないだろうって」
レギュラー争いがし烈なのは百も承知。対戦相手として、リーグ2連覇したときの強さも目の当たりにした。昨季も川崎Fにはリーグ戦で2連敗。等々力で0-2で敗れ、BMWスタジアムでは0-5の大敗を喫した。
ただ、湘南で自身が成長してきたことを実感している。18年にはルヴァンカップ初制覇に大きく貢献。3バックの右サイドとして、攻守両面で働いてきた。
「湘南の4シーズンで自信がつきました。もしも2年前にオファーを受けていたら、躊躇したかもしれないですが、いまは違います」
守備は粘り強くなり、ゴール前では体を張ってシュートをブロック。「死ぬ気でマークしている」が口ぐせである。ボールを奪ったあとのプレーは大胆そのもの。鋭い縦パスを入れたかと思えば、果敢に駆け上がり、チャンスに絡む。ゴールを演出するだけでは満足できず、得点を狙う姿勢も見せる。昨季は2ゴールをマークしている。川崎Fではこれまで以上に積極的にプレーし、リーグ優勝に貢献するつもりだ。
「サイドからゴールを狙っていきたい。結果を残したい。数字として、"5"はほしい。アシストでも、ゴールでもいいです」
言葉には自信がにじむ。湘南時代から目標はずっと変わらない。日の丸をつけてプレーすることだ。26歳の野心は尽きることはない。
取材◎杉園昌之