横浜FMが持ち味を遺憾なく発揮して、優勝に大きく近づいた。スタンドで見守ったV逸から6年、キャプテンとなった喜田拓也も勝利に貢献。試合後は会心の勝利を喜びつつ、最後の瞬間まで自分たちのスタイルを貫くことを誓った。

上写真=キャプテンマークを巻き、中盤で攻守に奮闘した喜田(写真◎J.LEAGUE)

■2019年11月30日 J1リーグ第33節
 川崎F 1-4 横浜FM
  得点者=(川)L・ダミアン
      (横)仲川輝人、エリキ2、遠藤渓太

「みんなの懸ける気持ちが出ていた」

 リーグ連覇中の王者・川崎Fのホームで、横浜FMの攻撃陣がすさまじい破壊力を見せつけた。立ち上がりの先制点で主導権を握ると、後半も次々にネットを揺らす。3-0から1点を返されたものの、終了間際に1点を加えて突き放す素晴らしい勝利だった。

 キャプテンマークを巻いてボランチの一角に入った喜田は、球際で譲らない守備やシンプルな配球など、中盤のバランサーとして奮闘。「状況次第で優勝はありましたけど、あまりチームとしてそういうことは考えず、目の前の川崎に勝つことだけを考えて臨んだ。みんなの戦う姿勢も出ていたと思うし、準備していたこともピッチで出ていたと思う。みんなの頑張りの賜物」と戦いぶりを振り返った。

 3-0から74分に1点を返され、川崎Fのペースになりかけたが、「バランスを崩し過ぎないように」と意識したという。89分に遠藤渓太が奪ったダメ押しの4点目については「もちろんゲームの流れ、相手の出方も見ながらですが、勝っている状況でも得点を狙っていて、ああやって最後に一刺しできた。前に行く姿勢を失わないところが出ていたし、それは今年の最初から大事にしてきたこと」とコメント。最後まで攻撃姿勢を貫き、FC東京との最終節の直接対決を前に、得失点差7という大きなアドバンテージを手にした。

 横浜FMにとって等々力陸上競技場での川崎F戦は、2013年の最終節で敗れ、目前まで迫っていた優勝を逃した因縁の地。当時プロ1年目だった喜田は、スタンドでその光景を見ていた。クラブは紆余曲折を経て、自らはキャプテンとなり、再びめぐってきた優勝へのチャンス。「僕としては6年、クラブとしては15年。非常に長かったと思いますし、そこへのチャンスみたいなものも、あまり多くなかった中で、今年そのチャンスを自分たちの力で作り出してきた。今日のゲームに対する姿勢を見てもらえば分かると思いますが、みんなの懸ける気持ちみたいなものは、しっかり出ていたと思う」と、ここまでの道のりに胸を張った。

 しかし、すぐに続けて「まだ何も決まっていない。最後に優勝を勝ち取れないと意味がない」ときっぱり。「満足している人、喜んでいる人は誰もいない。最後も自分たちは勝ちにいくだけ。状況うんぬん、相手どうこうは関係なく、次のFC東京戦に勝ちにいくという、すごくシンプルなこと。そこに向けて、みんなでいい準備をしていきたい」と言葉をつなぎ、15年ぶりの優勝への決意をみなぎらせていた。

取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE

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