上写真=リーグ戦3試合目の出場でJ1初ゴールを決めた上田(写真◎J.LEAGUE)
■2019年8月10日 J1リーグ第22節
鹿島 2-1 横浜FM
得点者:(鹿)セルジーニョ、上田綺世 (横)仲川輝人
「聞き慣れた応援歌に感動した」
1-1の同点で迎えた73分、鹿島のFW上田綺世がプロ3試合目の交代出場を果たした。大岩剛監督から「点を取ってこい」と背中を押され、子どもの頃から足を運んだ“ホーム”カシマスタジアムのピッチに立った。
「憧れの応援歌と、あれだけの熱いサポーターの皆さんの前でプレーできることには、特別な思いがあります。自分の中では聞き慣れた応援歌に感動したし、(試合に)入っていきやすかった」
そして、待望の瞬間は87分に訪れる。三竿健斗が前線へ送った浮き球パスを土居聖真が頭で落とし、上田が右足でゴールに蹴り込んだ。
「相手の最終ラインの高いところが気になっていた。(オフサイドを取られることが)ないように気を付けながら、それをうまく利用したいという狙いがあったので、うまく決められたと思います。こみ上げてくるものがすごくあったし、喜びでいっぱいでした」
この日放った唯一のシュートが、ゴールを射止めた。「ゴールは取れましたけれど、もっとシュートチャンスを作らなければいけない」と反省しつつも、「2試合ゴールを取れていなかったので、やっと取れた。自分の仕事を果たせた達成感はありますね」と、初ゴールに安堵の表情を浮かべた。
この勝利で鹿島は2位に浮上。首位のFC東京を勝ち点差「7」で追っている。2シーズン遠ざかっているJ1の覇権を逆転で手にするためには、上田のゴール量産も必要となるだろう。
「(シーズンで)何点取るということではなく、チームが勝つために必要な点を取ることがフォワードの仕事だと思っている。これからも、それを目標にして頑張りたい」
リーグ・タイトル奪還へ。鹿島の新たなストライカーが、さらなる活躍を誓う。
取材◎小林康幸