キックオフ直後から、鈴木秀人新監督が指揮を執る磐田の出足が鋭く、鹿島は受け身に回る。だが、シュート0本で迎えた29分に鹿島はオウンゴールで先制すると、40分には前節J初先発を果たしたDF小池裕太が左サイドからゴールを決め、2点をリードして試合を折り返す。後半、MF安部裕葵らを投入して追加点を狙うも、スコアは動かず2-0で終了。鹿島がリーグ戦2試合ぶりの白星を挙げ、J1通算500勝を達成した。

上写真=得意の左足でプロ初ゴールを挙げた小池(写真◎J.LEAGUE)

■2019年7月6日 J1リーグ第18節
鹿島 2-0 磐田
得点者:(鹿)オウンゴール、小池裕太

「クロスを上げたら、たまたま入った」

 第18節磐田戦でJリーグ3試合目の出場となった鹿島のDF小池裕太が、見る者の度肝を抜くゴールを決めた。MF白崎凌兵からのパスを追いかけて左サイドを疾走し、そのままトラップすることなく左足を振り抜いた。ボールは磐田のGKカミンスキーの頭上を越え、ゴールへと吸い込まれた。

 しかし本人は、「正直、(ゴールを)狙ってはいません。クロスを上げたら、たまたまあのような弾道で入りました」と明かす。実際には、「(左足の)インステップで、グラウンダーの速いボールを(ゴール前に)送ろうとした」という。

 それでも、『正真正銘』のプロ初ゴールであることに変わりはない。Jリーグ初先発となった前節の広島戦(△2-2)では、74分に強烈なミドルシュートを決めたかに思われた。試合終了後に得点者が訂正され、初ゴールとはならなかったが、今回は誰にも触れることなくシュートが決まったため、小池の得点であることは間違いない。

 ただ、「スーパーゴールと言われれば、スーパーゴールかもしれないけれど、もっときれいな形で決めたいという思いが、自分の中ではあります」と、複雑な表情を浮かべる。そして、少し間を置き、「(狙った弾道とは)違うけれど、(これまでの)サッカー人生の中でも結構あのようなゴールがあったので、『持っているかな』とは思います」と振り返った。

 また、この試合の先制ゴールも小池の左足がもたらした。「前日の練習でキッカーに指名された」と話すように、ゴールを狙える位置でのFKでキッカーを務めた。29分には左サイドからゴール前に「速いボールを意識した」と高速クロスを送り、オウンゴールを誘発。「左足のキックには自信があります」と胸を張った。

 試合を通しては、「得点以外のところで迷惑をかけてばかりだった。もっと気を引き締めてやらなければいけない」と、反省しきり。それゆえに、自身の記念すべき初ゴールにも、素直に喜べなかったのかもしれない。「優勝するためには次の試合も絶対に落とせない。今日みたいなゲームをしていたら次は勝てないと思うので、もっと練習で改善して、次節に臨みたい」と、早くも次戦を見据えた。

取材◎小林康幸


This article is a sponsored article by
''.