上写真=リーグ戦初先発を果たした小池(写真◎J.LEAGUE)
■2019年6月30日 J1リーグ第17節
鹿島 2-2 広島
得点者:(鹿)レアンドロ、町田浩樹 (広)柏好文2
試合後に得点者訂正、幻のJ初ゴール
74分、小池裕太の左足がスタジアムに歓喜をもたらした。ペナルティーエリアの外側で相手DFのクリアボールを拾い、左足を一閃。強烈なミドルシュートがゴールネットを揺らし、チームメイトから祝福を受けた。
「あの位置でこぼれ球を拾ってシュートするのは、自分の得意なプレー。フリーだったので、(左足を)振り抜くだけでした」
試合後、マッチコミッショナーによってシュートはゴール前にいたDF町田浩樹に当たっていると判断され、小池の“プロ初ゴール”とはならなかった。それでも、チームの勝ち越し点を演出したことには変わりない。「左利きの左サイドバックは貴重だと思うし、そこで良いプレーを見せていけたらいい」と、本人もスタメンデビュー戦に手ごたえをつかんでいた。
小池は流通経済大在学時の2016年にも、特別指定選手として鹿島でプレーした経験を持つ。そのときはナビスコカップ(当時)の1試合に出場した。
「ナビスコで一度プレーしていたので、スタジアムの雰囲気だったり、そういうものは分かっていました。だから、(初先発でも)スムーズに試合に入れたかなと思います」
それから3年。ベルギーでのプレーも経験し、その能力を磨いて鹿島に帰ってきた。特に、守備面での成長を本人は実感している。
「守備では『もっと人に強く行け』と、向こう(ベルギー)でも言われていました。(3年前に鹿島でプレーしたときは)守備で全く(ボールに)行けていない自分がいた。ベルギーではその課題を意識して取り組んでいました。鹿島に帰ってきてからも、もっともっと向上していけたらいいかなと思います。成長している自分の姿を見てもらいたいし、そういうところをピッチの上で表現したい。(試合に出るためには)練習からアピールしていくのが一番だと思うんですけれど、こういうチャンスをもらったときに、しっかり結果を残せるような選手になりたいです」
ヨーロッパで腕を上げたレフティーが、鹿島の左サイドバックの定位置獲得へ名乗りを上げる。
取材◎小林康幸