正確な左足のキックで同点ゴールをアシストした三丸 写真◎Getty Images
試合前の両者の順位は16位(鳥栖)と17位(柏)。下位から浮上したいチーム同士の一戦は、前半にホームの柏が先制する。40分、小池龍太からのクロスに瀬川祐輔が合わせ、1-0で折り返す。対する鳥栖も後半早々の52分に三丸拡が蹴ったCKから金崎夢生がヘディングシュートを決めて同点。その後は互いに追加点を奪えず、勝ち点1を分け合った。
■2018年9月22日 J1リーグ第27節
柏 1-1 鳥栖
得点者:(柏)瀬川祐輔 (鳥)金崎夢生
「チームの助けになりたい」
DF三丸拡の左足から放たれた放物線は、ペナルティーエリア中央でぶつかり合う大男たちの頭上を越え、ファーサイドで待ち構えていたFW金崎夢生の元へ。背番号44の頭がボールをとらえ、直後にゴールネットが揺れた。
「前半はニアサイドのスペースを狙って、蹴っていたけれど、そこに(柏の)大きい選手がたくさんいたので、(ゴールにつなげるのは)厳しいかな、と。チームメイトからも『ファー狙いの方が良い』という要望があったので、後半はファーサイドを狙ってみました」(三丸)
キックの狙いどころの変更が功を奏し、同点ゴールをアシストした。「鳥栖の選手は高さもあるし、セットプレーは強みになる。キッカーが良ければ得点につながりやすい」と、チームの武器に胸を張る。
敵地で先制されながらも追い付き、試合終盤には3バックで守りを固めて手にした勝ち点1。「やっぱり勝ち点3を狙っていたので、この勝ち点1は喜べるものではないけれど、悲観する(試合)内容でもない。次につながる勝ち点になったと思う」と、前を向く。
「(流れの中での)クロスの精度は悪かったし、それは練習から改善していかなければならない。もっと流れの中で得点に絡んでいきたい」と反省点あり、「個人のストロングポイントを出せるような守り方ができている手ごたえはある。僕は対人プレーにめちゃくちゃ強いわけではないけれど、周りがカバーしてくれるし、チームの守り方が整理されてきている感じもある」と手応えもあり、収穫の多い一戦となった。
開幕から左サイドバックを務めてきたキャプテンのDF吉田豊がケガで離脱し、8月22日に行なわれた天皇杯4回戦の神戸戦(○3-0)でスタメンの座がめぐってきた。それ以降は先発フル出場を続け、チームも5戦負けなし。失点も今節で喫した1点にとどめている。「試合に出るチャンスがめぐってきたので、チームの助けになりたいという思いがある」と、言葉に力がこもる。
「失点しなければ負けることはない。必ず勝ち点を取れる。DFとしては毎試合、無失点を狙っているし、集中を切らさずに守り抜けば、攻撃陣が得点を取ってくれる感じもある。だから、1試合1試合準備していくだけ。今日の試合はもう終わったことなので、この結果を、また次につなげたいなと思います」
大黒柱の穴を埋めるプロ3年目の左サイドバックが、J1残留を目指す鳥栖をけん引する。
取材◎小林康幸