上写真=北健志郎はキャプテンとして奥野奨太の不在を戦い抜いた(写真◎小山真司)
「奥野を日本一のキャプテンにしようと」
0-6。青森山田との力の差は歴然だった。それでも、高校選手権ベスト4という結果には胸を張っていい。
奥野奨太、村上一颯の2人のキャプテンに、北健志郎が「3人目のキャプテン」として加わったのはインターハイのあと。奥野が選手権直前に左ヒザを負傷し、この大会でキャプテンマークを巻いたのが北だった。
セットプレーで複数の選手が手をつないで輪になって、回りながらゴールに迫る「トルメンタ」が世界的に有名になったが、「決勝に行って日本一になりたかったけれど、負けて悔しい」と率直に大敗を悔やんだ。
強敵・青森山田をしっかり分析した上で「自分たちの良さも出せた」と振り返るが、やはり差があった。特に勝利に向かう気持ちの部分で痛感したという。精神的支柱だった奥野の不在も影響したことを明かす。
「奥野がケガしてチームもうまくいかない時期が続いて大会が始まりました。その中で奥野を国立につれて行こうと一つになることができて、初戦を勝つことができて全体が勢いに乗れてここまで来ることができました」
自身が巻いたキャプテンマークの重みを感じ、それにふさわしいパフォーマンスを心がけた。奥野の無念を感じて足を動かした。
「準決勝が決まったあとに、奥野のことを日本一のキャプテンにしようと思っていて、でも今日負けてしまって、申し訳ないと伝えました。でも、奥野自身はありがとうと言ってくれたので良かったです」
結果としては大敗で去ることにはなったが、「チームとしての成長を感じて結果も出て、ベスト4になることができて良かった」と振り返った。