6月20日に開催された鳥取県高校総体代替大会の男子サッカー競技・西部地区大会決勝は、米子東高が境高に1-0で勝利。準決勝で米子北に県内11年ぶりの黒星をつけた勢いは衰えず、西部地区の頂点に立った。

新人戦優勝校&準優勝校を連破

 県内有数の進学校として知られる米子東は、サッカーにおいても隆盛を誇った時期がある。1980年代から90年代前半にかけては、米子工高と2強を形成して全国大会出場を競った。5回目の出場となった92年度の選手権全国大会では、1回戦で東京学館新潟高(新潟)、2回戦で宮崎工高(宮崎)、3回戦で富山一高(富山)を下し、ベスト8に進出。選手権での1大会3勝およびベスト8は、米子北でも成し遂げていない県内最高成績だ。

 ただ、近年は米子北の一強時代が続いていることもあり、全国大会からは遠ざかっていた。今回は全国につながる大会ではなく、全県で争われたトーナメントでもないが、昨年の新人戦優勝の米子北、準優勝の境を連破しての優勝は価値あるもの。山根監督は「生徒が日頃から取り組んでいる成果を発揮してくれてうれしい」と笑顔で語った。

 昨年度に就任した山根監督は、選手たちに「社会に出たとき、社会人として即戦力になる人材になるために、サッカーと勉強を両立して、どちらも頑張っていけるチームになろう」と呼びかけてきたという。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でインターハイが中止となり、難しい時期も過ごしたが、「いつサッカーができるのか、いつ学校に行けるのか分からない状況で、マイナスに捉えるのではなく、自分のできることに変えていけるかを、生徒たちがよく考えた」と山根監督が語る個々の取り組みも、西部地区優勝という形で実を結んだ。

 今後は米子東へのマークが強まることも予想されるが、山根監督は「力があるチームではない。サッカー選手としても、人間としても、昨日よりも今日、今日よりも明日、と成長していけるように、できることを真面目にやっていければ」と謙虚に前を向いた。次の大舞台である選手権予選でも、今回の勢いを持続できるか注目だ。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英


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