上写真=クラブの初タイトルに貢献した町田のDF望月ヘンリー海輝(写真◎Getty Images)
経験として大きいものでした
「もうすごいうれしいです。やっぱりFC町田ゼルビアとして先人たちが築き上げてきたものの結果としても、タイトルを取れた。そういう意味でも、もちろん個人としても、すごくうれしいですね」
クラブにとって初タイトルを手にした感想を問うと、望月は素直な思いを口にした。
戦前の予想では前回王者であり、「勝ち方を知っている」神戸が有利と見る向きも少なくなかった。
しかし町田は冷静にネットを揺らし、激しい守備で勝ちきった。この日3バックの右ストッパーとして先発した望月もその一翼を担った。
「神戸は前回チャンピオンになっていますし、やっぱりそういう意味ですごく手ごわいのはみんなも意識していました。そこで最初の、入りの部分でリスペクトし過ぎたら勢いで負けると思っていましたし、いい意味でそういうメンタルの面で相手を上回れたたことが結果がにつながったのかなとは思います」
互いにロングボールを得意とするチームであり、エアバトルが一つのポイントになると思われた。実際、試合開始直後からボールが空中を行き来するシーンは多かったが、「どちらもあまり繋ぐのがメインのチームではないので、そこは蹴ったあとの競り合いの部分であるとか、球際というか、1対1の局面が多くなるのは意識していました」と狙い通りの展開に持ち込めたと望月は説明。「そこで落ち着いて負けずに対応すれば、という認識があったので、その意味で落ち着いてできました」と勝因を説明した。
J1はまだ2節残っており、ACLEの戦いも続くが、2025年は望月に飛躍の1年になった。日本代表にコンスタントに選ばれ、多くの経験を積んだ。
「(代表では)トップの人たちの中でサッカーすることによって、そのトップの実力を知るというか、体感することができましたし、それによって自分の基準値も引き上げられました。その意味でやっぱり代表に選ばれたのは間違いなく僕の今シーズンにおいての経験として大きいものでした」
192センチの長身は日本代表においても大きな武器。一方で自分の足りない部分にもフォーカスしている。
「ブラジル戦もそうですけど、守備の部分で自分タスクをこなすことができなかった。。アメリカ戦だったら縦に簡単に縦に行かれてしまって、クロスあげられた。体の使い方やポジショニングと、自分のストロングでどうやって勝負するかとか、ブラジル戦では相手の状況であったり相手のスピードや実力を色々考えた上で、前への比重のかけ方について考えるものがありました。9月、10月以降は、守備の部分は強く意識しながら取り組んでいます」
シーズン序盤は試合に出られない時期もあった。その中でも「いろんな人に助けてもらいましたし、自分でも日々いろんなことを考えながらやってきました。その結果が、今日のタイトルに貢献できた1つの要因かなと思います」。長足の進歩を遂げた望月。胸に星を一つ付けて、ここからさらに、高みを目指していく。
