天皇杯の3回戦が12日、各地で行われた。今季も波乱のラウンドとなり、J2のチームがJ1のチームを破る試合が相次いだ。J2首位の町田がJ1首位の横浜FMを撃破したほか、鹿島や広島、鳥栖、横浜FCもアップセットを許すことになった。

上写真=2011年以来の対戦となったFC東京と東京V。PK戦の末、FC東京が4回戦進出を決めた(写真◎Getty Images)

J1首位がJ2首位に敗れる!

 暑い夜を熱くするゲームが全国各地で行われた。天皇杯は毎年、アップセットが起こる大会ではあるものの、今年の3回戦は特にそのインパクトが強いものになった。

 町田GIONスタジアムでは、J2首位を走るFC町田ゼルビアがJ1首位の横浜F・マリノスMを4−1で撃破。10日に国立競技場で東京ヴェルディと激闘を演じた町田だが、中2日というハードな日程も何のその、J1王者相手に常にリードを奪い、さらにそのリードを広げる戦いぶりで完勝した。

 JITリサイクルインクスタジアムで行われた鹿島アントラーズとヴァンフォーレ甲府の試合も、J2のチームがJ1のチームを下す結果となった。1−1でPK戦に突入すると、11−10で甲府が鹿島を撃破。甲府は天皇杯王者であるものの、昨季に続き、カテゴリーの違いによるアップセットを起こした。

 他にも栃木SCがサンフレッチェ広島を2−0、ロアッソ熊本がサガン鳥栖を延長戦の末に4−3で破るなど、J2のチームが下剋上が相次いだ。熊本で後半終了間際に同点ゴール、延長前半に勝ち越しゴールを決めたのは先ごろ行われたU17アジアカップでも活躍したFW道脇豊。11月のワールドカップに向けて所属チームでさらなる成長を誓っていたが、早速、目に見える形で結果を出した。

 また、JFLの高知ユナイテッドSCは唯一、Jクラブ以外で3回戦に残ったチームだが、J1の横浜FCを1−0で下すジャイアントキリングを起こした。2回戦でガンバ大阪を破っており、これでJ1チームに連勝。その実力を改めて証明した。

 一方で、辛くもラウンド16に進んだのが、FC東京と名古屋グランパスだ。FC東京は味の素スタジアムで東京ヴェルディと12年ぶりのダービーに臨んだが、前半に先制しながら後半に追いつかれ、延長戦でも決着つかずにPK戦に突入。すると、PK戦でも5人全員が決めて『延長戦』に突入。その後、9人目まで全員が決めたFC東京に対し、東京VはGKにストップされて勝負は決着した。名古屋とベガルタ仙台の試合も0−0で延長へ突入し、1点ずつを取り合ってPK戦へと進み、5−4で名古屋に軍配。激闘を制している。

第103回天皇杯3回戦 結果

・横浜FM 1−4 町田
 得点者:(横)井上健太
       (町)ミッチェル・デューク、布施谷翔、平河悠2

・富山 中止 新潟

名古屋 1−1(5PK4) 仙台
 得点:(名)マテウス・カストロ
    (仙)菅原龍之助

浦和 1−0 山形
 得点:(浦)伊藤敦樹

・鹿島 1−1(10PK11) 甲府
 得点:(鹿)垣田裕暉
    (甲)野澤陸

神戸 5−2 磐田
 得点:(神)齊藤未月、川崎修平2、汰木康也、佐々木大樹
    (磐)舩橋京汰、古川陽介

C大阪 3−1 大宮
 得点:(C)上門知樹2、レオ・セアラ
    (大)柴山昌也

湘南 2−0 岡山
 得点:(湘)鈴木章斗、石井久継

川崎F 2−1 水戸
 得点:(川)瀬古樹、宮代大聖
    (水)寺沼星文

高知 1−0 横浜FC
 得点:(高)高野裕維

 2−0 徳島
 得点:(柏)真家英嵩2

札幌 5−2 V大分
 得点:(札)キム・ゴンヒ2、福森晃斗、出間思努2
    (V)中野匠2

・広島 0−2 栃木
 得点:(栃)大島康樹、西谷優希

福岡 2−1(延長) 岐阜
 得点:(福)佐藤凌我、ドウグラス・グローリ
    (岐)羽田一平

FC東京 1−1(9PK8) 東京V
 得点:(F)塚川孝輝
    (東)白井亮丞

・鳥栖 3−4(延長) 熊本
 得点:(鳥)福田晃斗、西川潤、横山歩夢
    (熊)松岡瑠夢2、道脇豊2


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