「青木やジャーメインとはまた違う」
「(リーグの)カテゴリーは違うけれど、(レベルは)ほとんど変わらないと思うし、それが結果として表れている」
このように小泉が強さを称えるHonda FCには、かつてのチームメイトがいる。この試合で左サイドバックを務めた石田和希だ。流通経済大柏高校(千葉県)時代に共にプレーし、2013年には高円宮杯プレミアリーグ優勝を達成。高校卒業後、小泉はプロの世界へと進み、石田は流通経済大へと進学した。それぞれ、別の道を歩んでから5年半が経過し、天皇杯の舞台で再び顔を合わせた。
「(高校)3年間、ずっと一緒にサッカー部でやってきた仲間なので、懐かしかったですね。(Jリーガーとなった同級生の)青木(亮太=現名古屋)とか、ジャーメイン(良=現仙台)とはまた違って、なかなかこうやって試合をできる機会がないので、すごく感慨深いものがありました。一緒にできてよかったし、またいつか、どこかで一緒にプレーしたいです」(小泉)
小泉にとっては、旧友のチームを破って勝ち取った準決勝への切符となる。ここから頂点への2試合も、負けるわけにはいかない。『4冠』を狙っていた鹿島の一員としても、すでに2つのタイトル(AFCチャンピオンズリーグ、ルヴァンカップ)を失い、残されたJ1リーグと天皇杯のタイトル獲得に向けて、全力を尽くす。
「『4冠』を目指して戦っていた中で、最初はそれにこだわり過ぎたというか……。やはりACL(AFCチャンピオンズリーグ)もルヴァン(カップ)も、そこまで甘い戦いではありませんでした。まずは、目の前の試合に勝つこと。それに専念しないと、この天皇杯も、リーグ・タイトルも失ってしまうと思います。次の試合にしっかりと勝つ。それを繰り返した結果として、タイトルにつながると思うので、先にあるタイトルばかりを見過ぎないで、個人でもチームでもまずは目の前のことに向き合っていかなければいけないかなと思います」(小泉)
深紅の戦士たちは再び勝利を積み重ねるべく、J1浦和戦までの“8日間”を有効的に使い、シーズン終盤に臨む。
取材◎小林康幸