上写真=前半に2失点を喫した川崎F。悲願のアジア制覇はならなかった(写真◎J.LEAGUE)
■2025年5月3日(現地) ACLE決勝(@キング・アブドゥラー・スポーツシティ)
アル・アハリ 2−0 川崎F
得点:(ア)ガレーノ、フランク・ケシエ
伊藤と大関の投入で流れを変えたが…
完全アウェーの雰囲気の中、川崎Fは開始早々の5分にピンチを迎えた。サイドから入れられたアバウトなボールをゴール前でトニーに収められると、高井がマークに付いていたものの、シュートを許す。GK山口が弾き出したが、危険なシーンだった。
直後の右CKでもアルジョハニに至近距離からシュートを許したが、これも山口が体を大きく使ってブロック。見事な連続セーブでチームを救った。
11分、今度は川崎Fがチャンスをつかむ。サイドチェンジのパスを受けたマルシーニョが左サイドを突破。ボックス内から放ったシュートはわずかに枠を逸れたが、アル・アハリの圧力を感じながらもサイドを大きく変えることでゴールへの活路を見出そうと試みた。
しかし均衡を破ったのは、大声援を背に戦うアル・アハリだった。
35分、川崎Fは自陣でボールを奪われると、フィルミーノとのパス交換でガレーノにボックス手前まで進入され、斜め45度の位置からシュートを打たれる。ボールは山口が懸命に伸ばした手を避けるようにゴールの左隅へ。相手を褒めるしかない見事な一撃で先制を許した。
この失点をきっかけにアル・アハリに流れが大きく傾いてしまう。自陣ボックス内で右膝を負傷した左サイドバックの三浦がピッチの外に出て治療を受けている間に、同サイドから攻めこまれた。トップ下の脇坂が下がって対応していたが、一人少ない状況の中で分厚い攻撃を浴びる。
42分、マフレズに左サイド深くパスを差し込まれると、反応したフィルミーノが折り返す。ゴール前に2人飛び込まれる形となり、最後はケシエに頭でプッシュされた。直後に負傷した三浦がファンウェルメスケルケンに交代(佐々木が左に回り、右に入る)。川崎Fは2点のリードを許す苦しい展開で後半を迎えることになった。
エリソンに代えて山田をピッチに送り、後半開始から攻撃の活性化を図る。相手がやや構えたこともあり、ボールを握る時間を増やしたものの、シュートまで持ち込めないまま、試合は進んだ。65分に家長、山本をそれぞれ伊藤、大関に交代。2人の投入によって川崎Fは攻め手を増やし、さらに相手ゴールに迫ったが、スコアを動かすことはできなかった。
試合は0−2で終了。難しいレギュレーションの中で力を示し、クラブ初の決勝進出を果たした川崎Fだったが、組織力の中で個の力を生かすアル・アハリには及ばず。準優勝で大会を終えた。
▼出場メンバー
・川崎F◎GK山口瑠伊、DF佐々木旭、高井幸大、丸山祐市、三浦颯太(42分:ファンウェルメスケルケン際)、MF河原創(84分:山内日向汰)、山本悠樹(65分:大関友翔)、家長昭博(65分:伊藤達哉)、脇坂泰斗、マルシーニョ、FWエリソン(46分:山田新)